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幸せな時間


次の日、朝、れんさんは嘘みたいに元気だった。


額に手を当てると、体温は37度で正常。スースーと気持ちよさそうに寝ている彼の姿を見て、ほっと胸を撫で下ろす。


れんさん、よかった…。


私は眠い目をこすりながら、心の中で安心感が広がっていった。その安心と同時に、体中に急激な疲れが押し寄せてきて、ふわりと力が抜ける。


ふと、れんさんの横に寝ようとしたその瞬間。


寝ぼけたれんさんが、ふっと私をぎゅっと抱きしめ、布団に引き入れてくれた。あったかい体温がぴったりと重なり、私は心から安心した。


れんさんは体温が高くて、くっつくと心まで温かくなる。いつも寝る時は、腕枕をしてくれる彼。枕が変わると寝られない私でも、れんさんの腕に包まれると、ぐっすり眠れるんだ。


外は晴れていて、心地よい日差しがカーテンから差し込んで、静かな朝を照らしていた。


「なんか、いいなぁ、こういうの…」


私はれんさんの腕に包まれながら、まるで夢の中にいるみたいに、心が温かくなる。


そういえば、れんさんも私と同じで、寝ることが大好きだと言っていたっけ。時間を作って、一日中寝ていたいね、なんて話してた。


「れんさん、愛してる」


彼の温かな腕に抱かれながら、私は何度も彼の唇に優しく口づけをした。れんさんはちょっと眉をしかめて、顔をを背けてしまった。その姿を見て、思わず私はくすりと笑ってしまう。


私は幸福感に浸りながら、まどろみの中へと引き込まれていったのだった。



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