「かーごめかごめかーごのなーかのとーりーはーいーつーいーつーでーやーるー。」
「どうしたの?急に。」
「この漫画のちょい重要人物が死ぬ直前のセリフ。」
そう言って桜にそのページを見せる。
「この髪の崩れ方いい!なんか絶望してる感じがめっちゃ伝わってくる。」
「あー、そこに目行ったか。まあ、そこもいいんだけどな。この死ぬ時の描写がまたいいのよ。」
俺はまたそのページを見せる。
「いいね。てか、こういうシンプルなのが1番好きかも。それ全部で何巻?」
「30巻。」
「だいたい8時間ぐらいか。全部貸して。」
「いいけど。」
俺は部屋から30巻、全てを持ってきてリビングのテーブルに置く。俺が読んでいたのは『東京〇種』。ちょいとグロめの作品だ。所々にラブコメ要素も含まれていて、何回読んでも飽きない作品だ。ちなみに、今で10周目。登場人物と武器の名前が一致してきて、伏線もどんどん読みといて行っている最中。桜も読んでくれることで、さらに広がるといいが。
8時間後。昼飯も食べずに読み切った桜は泣いていた。
「ぐっ、ぐずん。宗太ぁぁぁ〜!」
「分かるぞ!死に方が悲しすぎるよな!」
「エトぉぉぉ〜!」
「最後カッコイイよな!」
「オウルぅぅぅ〜!」
「なんとも言えん良さ!素晴らしい!」
「半兵衛ぇぇぇ〜!」
「あの渋さ最高!」
「何でみんな、カッコイイの?あと、死に方もいいから、推しキャラとか選べないよぉ〜!」
よっしゃ!どハマりしてる!布教して良かった!B〇〇K・〇FFで手に取って正解だった!あとまとめ売りやっててくれて良かった!
「アニメもいいから見るか?」
「見る!いつやってるの?」
「再放送か、アプリで見るかだな。」
正直ここまでハマるとは思ってなかったぞ。嬉しいからいいけどよ。
「早速見るわ!」
桜はそう言って、自分の部屋に駆け上がって行った。
5時間後。
「モザイク入ってるね。」
やっと気づいたか。
「血が生き生きしてるね。凄いね、この映像技術。」
当たり前だろ。だから人気なんだよ。
「あと、お腹空いたわ。」
「それどっちだよ!リゼのセリフか?それとも今のお前か?」
「今の私よ!何でそっちになるのよ!」
「今の今まで、東京〇種見てきてるからな!そう思うわ!思わないけど!」
「どっちよ!」
本日の結果。信者1人獲得。