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第50話軽井沢

翌日、私は朝早く起きてリビングにいた。

「おはよう」

「おはよう」

「おはようございます、安藤様」

リビングにいたのは、河上君と霞ちゃんだった。

「あれ?高坂さんは?」

「あいつは今日は休みだ」

「休みって執事に存在するんだ」

「当たり前だ、あくまでも雇われているんだから」

「それもそうか、じゃあ今日は霞ちゃんが運転してくれるの?」

「いえ、私は以前安藤様のお友達に会ってしまって。その際、面が割れているので今回私は帯同いたしません」

そう言えば、私が自分の家のメイドって言っちゃったからかと思い出した。

「そうなんだ、じゃあ今日は電車?」

「いや、俺が運転する」

「免許持ってたの?」

「ああ」

「意外だわ」

「そうか?まあ殆ど高坂が運転するから、俺が運転することはないけどな」

「そうなんだ」

高坂さんの休みって何をするのか気になった。普段から河上君のことを第一に考えているから、いざ自分の為に休みがあるって思ったらどんな所に行くんだろうと不思議だった。

「高坂さんって、今日どこ行っているの?」

「娘と奥さんの命日だから、墓参りだろうな」

「え?高坂さんって結婚していたの?」

「ああ、俺と出会う前はイギリスの名家の執事をしていたけど、結婚を反対されていて、それでも突き通すことで絶縁されたけど、実際は幸せそうに暮らしていたそうだ。でもとある事件がきっかけで奥さんと娘が殺されて自分も逮捕されたんだ。そこを俺が助けてそこから高坂は俺についてきたんだ」

「なんか意外な過去だわ」

「まあ、娘は俺と安藤と同じくらいの歳だからな」

「そうなんだ」

「だから、安藤を迎え入れるって話をしても何も言わなかったのも、娘と照らし合わせているのかもな」

「そっか」

「じゃあ、そろそろ迎えに行くか」

「うん」

時間は早かったけど、今日は早めに軽井沢に向かう予定だった。


それから車で、二人を迎えにいって車で軽井沢に向かった。

「おはよう~」

「おはようって心太が運転している!!」

「まあ、免許くらい持っているからな、それより早くシートベルトしてくれ」

「はいよ」


軽井沢までは、車で二時間半の中は音楽だったりこれまでの、学生生活の話をしていた。

でも、河上君だけはその話に入ってこなかった。

なにかあるのだろうとは、思っていたがそれに関しては何も言わなかった。

そんな感じですお昼頃には軽井沢に着いた。

「やっと着いたな~」

颯太君が車から出ると、その前には立派な家が立っていた。

「ここが河上君の別荘?」

舞が驚きながら質問していた。

「うん、まあ所有者は親だけど、取り敢えず昼飯でも食い行くか」

「私、有名な洋食屋さん行きたい」

舞の一言でその洋食屋さんに行ってご飯を食べて、別所まで戻ってきた。


「この中外から見ても相当だけど、中も立派だね」

「まあ、俺も来たことあるの数回だから詳しくないけどな」

「そうなんだ」

私達はソファーに座りながら、河上君が淹れてくれた珈琲を飲みながらゆっくりしていた。

颯太君は「食べ過ぎた」と言い皆で笑いあった。


それから持って来た、ゲームなどで遊んで時間は夕方になってお風呂を舞と私そして、河上君と颯太君が入り、夜ご飯は皆でカレーを作って食べた。

それから、ソファーに座り再び珈琲を飲みながら、話をしていたが颯太君が口を開いた。

「なあ、心太?」

「ん?」

「そろそろ、話しても良い頃だろ?」

「なにが?」

「お前が海外に行った二年間の話」

「聞きたいのか?」

「そりゃこの前あった、人についてもお前についても聞かないと気が済まない」

「そうか」

そんな普段見せない真剣な顔を見せたのは颯太君だった。

「私達いないが良い?」

舞が言ったが河上君は意外なことを言いだした。

「いや、颯太が高倉さんがいる状態で話してくれって言ったってことはそう言うことだろう」

「でも」

「良いんだよ、颯太と安藤が信頼するならそれだけで」

「そう、分かった」

「安藤のことも話すか?」

河上君は多分サマエルに狙われていることを、示していると思ったが私はこれからも舞と颯太君ともいると思うし秘密はこれまでにしようと思った。

「うん、そうしよう」

「何々二人だけの秘密?」

「ああ、今から話すよ」

空気が重くなる感じがした。

「まず、文化祭の二日目俺が拳銃を向けた男についてだ。あいつの名前は神崎仁。俺が海外で仕事をしていた時の仲間だった。でもそいつは死んだはずだった」

「間違いとかじゃなくて?」

颯太君が、なら現実に存在するのはおかしいと反論した。

「ああ、俺が目の前で殺したから」

「え?」

私と舞、颯太君が揃って声を出した。

それから、河上君の過去を知った。

それは太陽が沈むように暗くそして、とても二年間の出来事とは思えないくらい長い話だった。



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