「わざわざ日本語訳で読んでくれてどうも。けどなに、なんでおれのあだ名よ。そこはかゆうまだろってツッコむとこか?」
「これも、あなたが関係してるからかもね」
聖奈、祝馬へと返答。
「なんでやねん! ……あ、よくわからんけど悪い。心配だよな」
「みんな同じ立場よ。あなただって、家族とか」
「うーん、うちの人たちはいろいろ図太いからな。それに、おまえとなら解決できるって信じてるし」
聖奈、赤面。
「そ、そう。ありがと。確かに、ここまでは想定の範囲内ね」
「にしても、おまえの上司って変わってるな」
「……あの人もあたしほどじゃないけど天才よ。だから、人類の現状に失望してた。所詮、今を平穏と感じてるのは一部だけ。 富める人の影には貧しい人がいる。
未だに争いが絶えず、迫害に遭い、傷つけ合う人々がいるのよ。だから彼は、この世を成り立たせる宇宙の法則辺りから変貌でもしなければ、人類が真に幸福を手にすることはないのではないかとも捉えてた」
「そ、それって。つまり博士が犯人?」
「いいえ、これを読む限り事故ね。ただ、そうなる可能性を察知しながら、この世がいい方向に変わるのを期待して見過ごしたらしいけど。でも、最後のバカげた一文から察するに――」
「ゾンビになったのか……」
聖奈、回し蹴り。
「ぬおーっ!」
祝馬の股間に命中。悶絶中。
「――おそらく」発言は聖奈。「博士も異変の影響をまともに受けた。やっぱり、あたしたちにしかこの異常を止める手立てはなさそうね」
「くっ……そっ。だがおまえ蹴りのとき、子供っぽいパンツ見えたぞ」
「なっ、このロリコ――!」
平手を振り上げた聖奈。拍子に、所持する観察記録より卓上のパソコン前へカードキーが落下。
「お、おい」祝馬が感知。「なんか落ちたぞ、探してたのじゃないか?」
警告、レベル5のセキュリティカードを奪取されました。認可は下りていません。
「こんなの挟んでなかったはずだけど、もう珍しくもない現象か。このパソコンもつきっぱなしで表示が関係してそうだから、読んでおきなさい」