警告、盗難されたセキュリティカードが使用されました。
中央ホールに侵入者を検知。聖奈と祝馬を確認。
現在、非常事態警報が発令されており、入室は許可されておりません。
セキュリティプログラム作動……エラー。システムになんらかの不具合がある模様。
引き続き、対象の監視によって代用します。
「で、これからどうすんの?」祝馬、発言。「なんか真ん中にクソでかい機械があるだけみたいだけど」
「問題の原因がいるのは一階よ」
「あの内壁に沿った螺旋階段で下りる気か? 崩れてるじゃん」
聖奈、エレベーターに接近。
「……部分的な警備システムでこれも止められたみたいね。非常用のはしごを使うしかないか。鞄は置いてくわ」
「はあ――――――っ!? おれ高いとこ苦手なんですが!」
「しょうがないでしょ、あそこよ」
非常はしごに着目し、指で示唆。
「……ファイルがあるわね」
「重要アイテムなんじゃねーの。その手前に落ちてんだから」
祝馬、はしご方向に移動。聖奈、やや遅れて同じ地点に接近。
非常はしご前に配置されたファイルに、祝馬が接触。――その腕を聖奈が拘束。
「――待って、さわっちゃだめ!」
「びっくりした! もうさわっちゃったけどなんだよ?」
「表紙にでかでかと書いてあるでしょ、さわる前に読めって!! これ博士の筆跡よ!」
「いやフランス語だろ、読めねーし!」