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監視カメラ/三階中央ホール

 警告、盗難されたセキュリティカードが使用されました。

 中央ホールに侵入者を検知。聖奈と祝馬を確認。

 現在、非常事態警報が発令されており、入室は許可されておりません。

 セキュリティプログラム作動……エラー。システムになんらかの不具合がある模様。

 引き続き、対象の監視によって代用します。


「で、これからどうすんの?」祝馬、発言。「なんか真ん中にクソでかい機械があるだけみたいだけど」

「問題の原因がいるのは一階よ」

「あの内壁に沿った螺旋階段で下りる気か? 崩れてるじゃん」

 聖奈、エレベーターに接近。

「……部分的な警備システムでこれも止められたみたいね。非常用のはしごを使うしかないか。鞄は置いてくわ」

「はあ――――――っ!? おれ高いとこ苦手なんですが!」

「しょうがないでしょ、あそこよ」


 非常はしごに着目し、指で示唆。


「……ファイルがあるわね」

「重要アイテムなんじゃねーの。その手前に落ちてんだから」


 祝馬、はしご方向に移動。聖奈、やや遅れて同じ地点に接近。

 非常はしご前に配置されたファイルに、祝馬が接触。――その腕を聖奈が拘束。


「――待って、さわっちゃだめ!」

「びっくりした! もうさわっちゃったけどなんだよ?」

「表紙にでかでかと書いてあるでしょ、さわる前に読めって!! これ博士の筆跡よ!」

「いやフランス語だろ、読めねーし!」

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