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コラム

 科学的未解決問題をオカルトで撃ち抜く!

 第3回『ファフロツキーズ=パンスペルミア説』



 さてさて、科学的に未解明な事象をオカルトの観点から解決しようと試みるこのコーナーも三回目。今回はまず、2001年のインド西部に降った奇妙な赤い雨について触れるわね。

 このおかしな色の雨が降った原因は当初、風で運ばれてきた砂塵が混じったためとされていたの。ところがその雨水を調べた結果、未知のバクテリアのようなものが発見されたんだとか。そこで新たに推測されたのは、どこかで隕石が爆発し巻き起こった塵が雨に混じったため赤い色になったのではという説。


 この推理は、地球の生き物にまつわるある仮説と関連づけられたわ。


 一般には地球上のあらゆる生き物は、原始の海に生命の原形である細胞の発生に適した化学混合物が雷などの刺激による偶然で生じたためなどともされるけど、そのようなことが起きる可能性は極めて低いともいわれてる。こうした難問を解決するために、生命の起源を宇宙に求めるパンスペルミア説というのがあるのよ。

 豊富な資源に満ちた宇宙から生命の材料を含んだ隕石などが地球に降ってきたとする考えで、ようするにインドの雨はこの仮説の証拠になると唱えられたわけ。


 ただこうした説も、論理が飛躍しすぎているなどと批判もされていた。パンスペルミア説自体、地球での生命誕生が難しいから宇宙から来たことにしようとはいっても、結局それがどうやって宇宙で発生したかは解説してないわけだしね。


 ひるがえってインドの赤い雨をファフロツキーズの一種とする説明もある。

 ファフロツキーズとは、まさに天から変なものが落下してくる超常現象。いちおうどんなものか、いくらか事例を挙げて紹介するわ。


 ――1861年にはシンガポールに空からナマズたちが降り、1881年のイギリスではヤドカリとタマキビ貝たちが降り、1901年にはアメリカにカエルたちが降り、1997年にはオーストリアで小魚たちが降っている。


 これらの合理的な解釈としてよく用いられるのが竜巻説ね。

 奇妙な降下物に襲われた地点の近くで竜巻が発生し、いろいろなものをいったん上空に持ち上げてから落下させたというものよ。


 でもそうした説明には無理があるの。

 竜巻なら舞い上がらせた対象と同等の大きさや重さのものも持ち上げるはずなのに、ファフロツキーズでは選別されたように特定の、それも絶対ありえないようなものまで降るんだから。

 例えば。1877年にはアメリカで空から数匹のワニが降ったし、1922年のアメリカでは石が雨のように降って、1968年のブラジルには血と生肉が2001年のアメリカにはトウモロコシの皮がやはり雨のように降ってるわ。


 こんな風に、いろいろなものがあちこちに降ってるの。近年の例だけ提示したけど、遡れば古代ローマ、プリニウスの『博物誌』なんかでもこうした〝雨〟に触れられていて、当時から現代までファフロツキーズは記録され続けてるわけ。


 ファフロツキーズが生命の源どころか生物自体を降らせていることは認識していただけたかしら。だったらあとは簡単。


 この現象は航空技術がない頃から起きてるから、人工のものでもありえない。てことは生命誕生以前から起きていた現象かもしれない。なら、こう推理することもできるんじゃないかな。


 パンスペルミア説も結局宇宙から降る生命の源がどう誕生したかは説明しきれてない。でもファフロツキーズは現に生物を降らせてるし、超自然現象だから降るものがどうやって誕生したかも説明は不要。

 即ち、地球の生命はファフロツキーズを起源として誕生したという説こそ最も有力なわけです。

 お楽しみいただけたでしょうか(笑)。



  Ms.アレクシア

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