目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第12話 死霊の軍団

 街道を走ること二日でその陣容が見え始めた。


 陣容と言っても簡易的な門が出来ており、通行止めを死霊騎士がしているだけなのであるが。


 私たちはまず、喧嘩は先手必勝とばかりに隕石命中メテオストライクをその門にぶつけたのである。


 流石に一撃目から隕石命中が来るとは思わなかったようであったが、その次に隕石雨メテオレインが振ると状況は理解した様だった。


 何者かが、ここを突破しようと試みていると。


 ただかなり離れたレンジから、魔法を撃っているので遠見の水晶球でもこちらの位置は探知されにくいはずであった。


 予想通り、死霊が四方八方へ探しに出ることになっていた。


 私たちはそれを好機ととらえ、各個撃破していったのである。


 隕石命中で。


 この隕石命中、一見物理攻撃と思われがちだが実のところ魔法攻撃に値し絨毯じゅうたん爆撃と言ってもよい程の面に魔法攻撃ができる実に便利な魔法であるのだ。


 隕石雨のほうはさらに酷く、さらなる面積の拡大が可能であったが相手が集中していることが条件に含まれるのであった。


 散っていては効果が発揮できないのである。


 よって私と『セリア』による各個撃破が続いていたのであった。


 居場所を掴みにくくさせる条件としては、出た部隊は直ぐに叩くということであった。


 幸いパーティーのランクは皆十五になっているので隕石命中ではそんなに疲れなかった。


 居場所は、ギリギリ分からない程度のしげみの中であり。


 馬車も隠れて好都合な条件の場所が、偶々あったのである。


 その場所もさらに場所隠蔽カモフラージュの魔法で分からなくしてあるので、こちらの場所はさらにつかめないでいたらしい。


 前線が完全に崩壊し、死霊騎士も滅びると私たちはじりじりと前進し始めた。


 マティ遺跡から一番近い辺りに来ると、隕石雨の絨毯爆撃をしなければならなかった。


 だが敵の半面が崩れたのを、確認できた。


 盤面はこちらに有利と出ており、今ならソウルイーター五体を含むデスソウルイーター一体とやり合えるようになってきつつあった。


 ソウルイーターは基本がらんどうの騎士鎧に亡者の執念がこびりついたもので解呪ディスペルでも叩き潰せるのが特徴でもあった。


 但しデスソウルイーターは中身が付いて居るので解呪では効かず中身ごと消し飛ばすか、斬り刻むかしなければならない面倒な奴だったのである。


 なので純粋に、闘士である『ゲルハート』や『ウィーゼル』の出番となるのであった。


 なのでまず、私と『セリア』で隕石雨を二重に重ね掛けした。この時すでに周囲のレイスやゴースト、ゾンビやスケルトン等は滅びており、軍団としてはすでに滅びていたのである。


 そこに、馬車の警護を私に任せた、三人が突貫したのであった。


 馬車が狙われてはいけないが、『セリア』では白兵戦ができない。


 回復魔法も使えて魔法も使えるそして、その探知能力と馬車を守れるだけの攻撃能力を持っている者としては私が最適任だったのであった。


 そのかわり精神力は『セリア』のほうが高くなおかつ、解呪の強度も高いという意味では『セリア』が前衛に回ることが最適解で『セリア』の護衛は『ウィーゼル』が行い、デスソウルイーターと斬り結ぶのは『ゲルハート』の役目であるということであった。




◆ 俺『ウィーゼル』視点


「おおおっ!」とかけ声をとどろかせ、デスソウルイーターにいの一番に斬りかかる『ゲルハート』、これでほぼ確実にデスソウルイーターは他のことができなくなったのである。


「解呪五連! 白の王冠ホワイトクラウン四連!」とソウルイーターに対して崩壊魔法を仕掛け、味方と自身に補助術式をかける『セリア』。


 俺も「神の領域ゴッドエリア!」と補助術式をかけソウルイーターが存在できない領域を作った。


“ガラン! ゴロン! ゴシャッ!!”


 と派手な音を立ててノーマルなソウルイーター五体が沈んだ。


 デスソウルイーターの大剣と『ゲルハート』の持つ漆黒の大剣が“ガキリ”と組合になりお互いゆずら無かった、一旦デスソウルイーターが離れ今度は横凪ぎに『ゲルハート』は縦一直でまたもや受ける“ガキガキッ”とおたがいの大剣がる音がひびいて来るようであった。




◆ 私『ウィオラ』視点


 とそのころこちらにも近付いて来るものがあった異界感覚とレイダーとレーダーディテクションの合わせ技でとらえているのだ。


 逃すことは無く神速の居合でマジックソードエクストラクション! 真空刃ソニック・ブレード! と唱えながら抜き斬る。


 直後接近して来ていたレイスがちりに返った。




◆ 俺『ウィーゼル』視点


 神の領域下にいるせいで、デスソウルイーターは動きが若干遅かった。


 だが、それに合わせてやる義理は無い。


 デスソウルイーターは苦し紛れに突きを敢行してきた、『ゲルハート』はそれを漆黒の大剣で受け流すとデスソウルイーターの首に一撃、致命傷を斬り込んだ。


 中身は死者であるとはいえ、意思を司る部分であるので致命傷に近かったのだ。


高位祝福ハイブレッシング! 死者打撃アンデッドブロウ! 聖属性武具ホーリーアトリビュート・アーマー! 増幅武具ブーステッドアーマー!」と後発で俺の補助術式が『ゲルハート』に、攻撃魔法がデスソウルイーターに飛んだ。


 今の死者打撃の一撃で騎士鎧の上半分が吹き飛んで死体部分が見えていた。


 首筋に大きな傷跡が見えていた。


 流石デスソウルイーターといえども一:三いったいさんでは勝ち目は薄いと思ったのだろう。


 最上段に構えると重い衝撃ヘビー・インパクト! と技を放つ、しかし『ゲルハート』はそれを受けずにえて地面にり込ませた。


 そこでできた大きなすきを逃さず。


命中強撃刃ストライクパワーヒットスラッシュ!」と横薙よこなぎに斬り払った。

 今度こそ、デスソウルイーターの上半身と下半身が分かたれた。


 聖属性武具と増幅武具がかかっているのでデスソウルイーターの再生能力は効かず、そのまま“ズルリ”と横に落ちた。


 そして、そのまま崩壊して行ったのであった。




◆ 私『ウィオラ』視点


 そのころ私の側でもレイスの上位クラスとの戦いがあったが、そちらのほうはあっさり斬り結ばず居合からの十五連撃で片付けてしまい。


 他に近付いて来るレイスや死霊騎士を、分身ワケミからの居合でスッパスパ斬り刻んでいたのであった。


 そのうち寄って来る者が居なくなると、警戒監視に切り替えたくらいであった。


 そして三人が返ってくると、馬車に引き上げ、私が御者となり今度はシゴクと同規模の街レナウンまでの旅路に着いたのであった。


 『ゲルハート』は「一応倒したという証である大剣とかぶと」を魔法の布で包んで持ってきていた。


 これで身の証は立てられるだろうということらしい。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?