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第14話:情報収取

 後五匹! と考えながらレイダーを確認していると、地上に落下したヤツのそばに動く点が現れていた。


 それも十数匹いるのである、ある程度のサイズまでは分析できるので分かるのだがサイズは私と同じか少し大きい位であった。


 人型といえなくもないが、そのあたりは詳細には分からないのである。


 しかし、ワーム種も待ってはくれるわけではなく当然牙をむいて襲いかかってくるのである。


 空中をひらひらと避けながら、地上側にも感覚を割くことになるのであった。


 当然だがその間にも二匹がクロスしたのでライトニングブラストを放っている訳であり、数が少し減って四匹まで落ちたのである。


 ワーム種の残りは四匹いずれも手負いとなっており、削ろうと思えば削れると思われたが、地上の十数匹が味方とは思えなかったのでできるだけ消耗を防がねばならなかった。


 自身にウェイトリダクションをかけ重量を軽減し、かかる負担を減らすという意味では重要であった。


 そして、ライトニングブラストで三匹を滅した時であった。


 残り一匹の時点で、待ったがかかったのである。


 しかも魔法のおまけつきで、である。


 その魔法は地上から放たれていた。


 やはりくだんの集団は味方ではなかったらしい。


 エアディフェンスプロテクションがかけられたのであった。


 文字通り、防空防御の意味を持つこの魔法は飛行しているものに対してかなり有効に効くのである。


 ワーム種は私にかけられたこの魔法により撃ち落された。


 かくいう私も、地上側に気を配っていなければ落とされていたかもしれない。


 偶々地上側集団に気を割いていたからこそできた緊急回避でもあったが、墜落こそしないものの地上に着陸せざるを得なかった。


 レイダーを持続するのもいいが地上では固定物も分かったほうがいいので、術を変えることにした。


 レーダーパーセプションに切り替えたのである。


 これにより固定物(障害物)や、動体を捉えることができていた。


 相手は最低でも私よりランクは低いと思われるが、魔法を使う集団ということになるのである。


 魔法戦が続けられることとなった。




 地上に降りてから数分で、その集団に気付かれずその集団の外縁部に接触することができていた。


 そいつらは黒いローブこそ着ているが、一様に顔が無く悪魔か魔法生物に類するものと思われた。


 ひょっとしたらキメラなのかもしれなかったが、ゆっくりと調べている術はなかった。


 とりあえず、単独でいるヤツを狙って襲う。


 対象が思考していれば情報収集に役立つ可能性がある魔法が、数個手持ちにあったのだ。


 単独でいるものは少なかったが左手前に一匹群れから離れたヤツがいるのを確認できた、右側にもいたが集団から比較的近かったので左側に的を絞った。


 速攻勝負で襲い、対象に口らしきものは無いので当身を使い気を失うかどうか確認した。


 気絶? はするようであった。


 人と似たような神経構造なのかもしれないとは思ったが、即物陰に引っ張り込み周囲から結界で隔絶させた。




 まずは、対象の精神構造にアクセスするところからである。


 アストラルダイブを使い瞬間的に、対象の精神構造にアクセスした。


 人と似たような、思考を持っていたのが幸いした。


 ひょっとしたら、元は人なのかもしれないと思ったのである。


 そのままアストラルハッキングをしかけ、何を思考していたのか知ることにする。


 第一目標は私の排除で、第二目標が異物(ワーム種)の排除であるらしかった。


 こいつらはまともに思考していたのではなく命令に沿って動いていただけなのだとわかった。


 つまり術者は、まだ他に居るということになるのだ。


 こいつらの布陣を細かく知るために、さらに深い精神層にアクセスを試みなければいけなかった。


 流石に数秒は不味いと思って一旦ソイツから出て、外部から直に直接干渉して記憶に該当する部分を検索してみることにする。


 メンタルサーチの出番である、検索すること零点五秒布陣の図面らしき記憶と敵味方の識別方法を見つけた。


 私は白で敵と認識、黒は味方と認識するようであった。


 ならば、その逆を突けばいいだけである。


 布陣の図面は円形になって配置されており、中央に術者らしきものがいることが分かっただけでも十分な情報だった。


 結界を張ってから布陣を知るまでにかかった時間は、わずか十秒程である。


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