……大戦後の復興に多大な貢献を果たした
大戦の爪痕が色濃く残る当時においては、〈ウーリ協約〉加盟国の大半が国民の教育に割く費用を捻出できず、深刻な次世代の育成不全に陥っていた。
この状況を憂慮した第3代〈ルフゥ評議会〉議長オズワルド・アーラーの特命を帯び、のちに初代〈ホープ・アカデミー〉総長に就任することとなるモヴァ・ヘルツア特命大使は、『統合型教育機関構想』を発案、チームを率い、約6年の月日を費やし、全協約加盟国の教育に関する実態を詳細に調査した。
子細は他の専門家諸子に譲るが、〈ヘルツア報告〉として知られる彼の熱意と、アーラーの後押しにより、実に12年の時間を必要とすることになる〈ホープ・アカデミー〉建設の第一歩が刻まれたことは疑う余地を持たない事実である。
一方、のちの機密開示により、ヘルツアは『英雄の力を有する若者の発見』という密命を帯びていたことが明らかとなっており、アカデミーが一般に開かれた教育機関でなく、特別な力を持つ若者を秘密裏に訓練する場所として構想されたという見方も根強くあり……