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先の大戦で、最多の英雄を輩出した同国が戦後復興に大きく貢献したことは既知の通りである。必然的に同国の発言力は強大なものとなり、〈評議会〉においても突出した立場を有するようになっていた。
一方、初期の威療士構想がラクリキア王国によって為されていたことから、同王国を発祥の地とする案も検討されたものの、当代のラクリキア王が譲歩したことにより、満場一致で北米合州国のファースト・ネクサス設置が決定された。
これに謝意を示す形で、北米合州国第4代大統領サミー・ジオンズは、ラクリキア王都への〈グランド・ネクサス〉寄進を表明するが、ラクリキア王がこれを固辞。最終的に、両国から一定の距離を置いていた中立連邦国シスウスに、この総枝部が置かれる運びとなった。
同件は、長らく、ラクリキア王国に対する批難材料として、しばしば取り上げられており……
※註釈……本文中には現代において差別用語となる語句が含まれるが、原文のまま記載した。