文庫一冊分の文量で完結していて、とても読みやすい作品。
現実世界を生きる勇者と魔王のお話ですが、バトルものではなく毎日のふたりの生活がメインです。
勇者により力を失った魔王と、小さな子供を育てる勇者。そしてそんなふたりを見守る喋る剣。そのうち2人は子供を鎹に距離が近づいて行くも、生活は決して平坦ではなくて……
【家族】のために自分を切り捨てることも厭わない勇者の姿に、母性にも似た勇者としての覚悟を感じます。
勇者と魔王を題材にした作品で、こんな風なアプローチで来る作品を読んだのは初めてで、彼らの将来の幸せを願わずにはいられませんでした。
完結はしていますが、その後の彼らを見てみたい。続きを読みたいと、そう思わされる作品です。