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第1話 姉と暮らす家

華が驚きのあまり、洞穴に近づけずにいると、奥から怪しげな光が二つ見えた。


「キャーッ!」


突然、大きなヤマネコが洞穴から飛び出し、山へと消えていった。


「え、今の……何!?」

華は動揺を隠せなかった。



「ちぇ。華の嘘つき」

カザシネ風稲が呆れた表情でそう言うと、三人はスタスタと帰ってしまった。


しかし、友達のイナツナ稲青だけは、一人その場に残っていた。


「華、大丈夫?

俺は信じるよ」

冷静さを失い動揺を隠せない華に、イナツナは優しく声をかけた。


「ごめんイナツナ、

今は一人にしてほしい……」

華がそう告げると、イナツナも仕方なく立ち去っていった。


友達がみんないなくなった後も、

華は一人、洞穴の前で呆然と立ち尽くしていた。

すると、山頂へと伸びる山道の上のほうから姉の姿が見える。

すると、そこでなぜか、華は強い眠気に襲われ、意識を失ってしまう。


次に彼女が目を覚ますと、そこはいつもの家だった。姉の膝枕で、安らかに眠っていた。


「姉さん…」

華が目を覚ますと、姉は優しく微笑み、ゆっくりと口を開いた。

そして、華にすべての真実を語り始めた。

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