華が驚きのあまり、洞穴に近づけずにいると、奥から怪しげな光が二つ見えた。
「キャーッ!」
突然、大きなヤマネコが洞穴から飛び出し、山へと消えていった。
「え、今の……何!?」
華は動揺を隠せなかった。
「ちぇ。華の嘘つき」
しかし、友達の
「華、大丈夫?
俺は信じるよ」
冷静さを失い動揺を隠せない華に、イナツナは優しく声をかけた。
「ごめんイナツナ、
今は一人にしてほしい……」
華がそう告げると、イナツナも仕方なく立ち去っていった。
友達がみんないなくなった後も、
華は一人、洞穴の前で呆然と立ち尽くしていた。
すると、山頂へと伸びる山道の上のほうから姉の姿が見える。
すると、そこでなぜか、華は強い眠気に襲われ、意識を失ってしまう。
次に彼女が目を覚ますと、そこはいつもの家だった。姉の膝枕で、安らかに眠っていた。
「姉さん…」
華が目を覚ますと、姉は優しく微笑み、ゆっくりと口を開いた。
そして、華にすべての真実を語り始めた。