気がつくと、華の目の前にはナシミと、その正面に見慣れない男が立っている。
男は、顔の半分を覆うほどの長くて白いひげを生やし、体格もがっしりとしていて、まるで山の神様のような威厳があった。
「おじさん、誰?」
華が恐る恐る尋ねると、男は優しく微笑む。
「僕は…、僕たちは君をずっと見守ってきた者だよ。」
男はそう言うと、ナシミの方へと向き直り、ナシミの頭に手を当てた。
すると、男の手の甲がぼんやりと光り始め、不思議な模様が浮かび上がる。