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エピローグ

エピローグ

あれから何日か過ぎた。

華は一人ナシミが祀られた洞窟の御神体に手を合わせている。


村の人たちは華の命を救ったナシミの功績を讃え、子孫の代までその不思議な物語を代々語り継いでいったのだった。


彼女の名はカホ華穂(ファスイ)と言う。

そして、そんな彼女の本当の名前は、出雲淡媛アワノヒメ

出雲地方一帯を治める豪族の王とその妻の間に初めて産まれた子であった。


あれから数年後。

華は今日も一人ナシミの御神体に手を合わせる。


「おーい!」

長の兵士が慌てた様子で華の住居の近くに走ってきた。


「浜に、船が到着したぞ!」


「え?」

華は慌てて浜へと向かう。


そして、船の外に群れるたくさんの大人たちを掻き分けて前にでると。


船から続々と見慣れない一団が降りてきた。



「イナツナはどこー!?」


華の横顔。

彼女の目頭からは一筋の彗星がキラキラと流れていた。


おわり



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