「ん……!」
そう言って、なんのかんの言いつつも
カムラはアミュリタにそっぽを向いたまま照れくさそうに手をさしのべた。
「カムラちゃん、ありがとう……。
私、カムラちゃんをあんな痛い思いや
恐い目にあわせて本当にごめんね~」
アミュリタはカムラの両肩に手をやると、
泣き崩れた。
「わたしこそ、今さっき逃げたりして
ごめんね。
それに、さっきのアミュリタが意外にアレな件はひとまず置いといて、
悪いのは暴力を振るったアミュリタのおじさんであって
アミュリタじゃないし」
「カムラちゃん……、
ありがとう……」
カムラとアミュリタはお互いに気持ちが落ち着くと、
高台にある大きな岩の尖端に二人並んで腰を下ろした。
カムラはアミュリタに自分達先住民の暮らしについて話をした。
すると、アミュリタも自分達の民族のこと、そして自分の父親のことをカムラに話し始めた。