細菌の中には酸素を利用してエネルギーを作り出すものが存在していました。
そして、原始真核生物の一部には
そんな細菌を体内に取り込み、共生しようとすることで酸素を利用できるように進化していきました。
つまり、それまで毒であった酸素を有効利用して大きなエネルギーを作れる真核生物へと変化していったのです。
真核生物はその後永らく単細胞生物として
存在していました。
そして十数億年前。
ついに多細胞生物が生まれたのです。
最初は単なる単細胞生物の集合体だったものが、
次第に単細胞生物の細胞そぞれぞれに別々の役割を果たすように変化していったのです。
9億年前になると、
生物は有性生殖という新しいシステムを採用することによって、
複雑化や大型化等多彩な生物へと進化していくことになります。
長い悠久の年月の中、
地表や海面に注がれる太陽の光は次第に増えていきました。
現在の植物に繋がる光合成生物はこの過程で誕生したのです。
ある時、光に反応する
光合成生物の遺伝子を持つ
ミドリムシやゾウリムシの様な姿をした原生動物が現れました。
これら原生動物の体中には光感受性のある皮膚の斑点があり、
それが長い長い進化の時間の中で
内側にへこみどんどん陥入して検知器を形成しました。
これにより、光の方向に対する感受性が増えていったのです。
そして「眼杯」が生まれ、
脊椎動物に典型的なカメラ眼
つまり『眼』へと進化していきました。
6億2000万年前、
皮肉にもそれまでの平和な世界の均衡は
『眼』を持つ動物達の出現により一変しました。
一次元や二次元の世界から、三次元の世界へと否応なしにも変わらざるを得ない過程で、生き物達の舞台は「弱肉強食」の世界へと移り変わっていくのです。