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第30話 ブラフトのおじいさん

【登場人物紹介】

・ハルキ

カリス帝国に住む、

年の頃は蓮姫と同じくらいのおてんば天真爛漫な女の子。

セキツイ人ハルキゲニア族。

身体的特徴として、

身体の色は個体それぞれだが

ハルキは肌色をしている。

また、個体全てに背中から背骨に添って

鋭い角が数十本生えている。


・ブラフトのおじいさん

カリス帝国の外れの洞窟の奥深くで

一人ひっそりと暮らす謎の老人。

ブラフト人の身体的特徴として、

おじいさんのように緑色の個体や

赤色の個体等がいて

みな全身単色である。

口から胞子を吐き出す習性があり、

胞子が地面に着地すると

仲間が増える様だ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「じンゴ~!」

ハルキがおじいさんに会ったときの第一声がこれである。


「ちょ、ハルキてめぇー!!

なんだよそのお年寄りを舐めきった挨拶は!」

「ポコ!」


「カムっち痛いし~!

それに、これは下品じゃないし~!

ここでは 語尾に ンゴ って付けるのが作法なんだし」


「は?

それ、本当か?

本当に本当だろうな?」


「え、え~とねぇ……」


「あの~、ところでおじいさん?」


「話を誤魔化すな!」

あいたっ


「どうしたんじゃ?」


「この人カムっちっていうんだけど、

について心当たりが無いか

おじいさんに聞きたいらしいんだけど、知ってる?」


「はて?か?

初耳じゃが、それはどのようなものなんじゃ?」


「それは……?」


「私から話そう」

蓮姫はハルキに変わっておじいさんに

時の主の特徴を説明した。


「なるほどな。

時の主の特徴に当てはまりそうなものは

わしには心当たりは無いんじゃ。

役に立てなくてすまん。」


「まあ知らぬなら仕方ない。

世話になったな。」


蓮姫がそう言い、その場を去ろうとすると、

おじいさんはすぐに蓮姫を呼び止めた。


「待ちなされ!

わしはわからんが

コリンズモンスターのコリンズ博士なら

国一番の物知りだし、知っておるかもしれん。一度訪ねてみてはどうじゃ?」


「ジジイ、ありがとう!」

蓮姫はおじいさんに行き先を詳しく聞いた。


「ねえ待つしー!

カムっちってば!

歩くの速いし~!

ゼ~ゼ~」


蓮姫は、自分の後ろをさも当然のようにいつまでもついてきているハルキには見向きもせず、ひたすら目的の場所へと急いだ。

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