「つまり、オヤジは自国のアウトカーストを甘やかせ過ぎなんじゃないか?
中には施しを与えるべきではなく、
教養を与え仕事の斡旋を行うべき者もいるんじゃないか?
つまり私にそう言いたいんだろ?
違うか?」
「は!……はい」
「ったく、オヤジはいちいち回りくどい!
ちゃんとはっきり言え!」
「すみません……、姫様」
「しかし、どうしてそんな風に思うのだ?
怒らないから話してみろ!」
「我が国のお妃さまが立場の弱い人々を積極的に支援しようとするのは俺も賛成なんです。
ですが……、我が国とは直接関係の無い隣国の国同士の争いから生まれたアウトカーストの難民達までも受け入れ、自国労働者の血税で手厚く支援していることには正直、納得がいかないのです!」
「……。
オヤジ、言いたいことはそれだけか?」
「へ??」
「歯〜食いしばれー!」
「ちょーっ?
姫様!?
待って!!」
「なんだ?」
「姫様!?
事情をご存知でしたらどうか俺に教えてください!
お妃さま、つまり姫様の母君様はどうしてあんなにも執拗にアウトカーストの連中を救済されようとするのでしょうか?」
「オヤジ、あんたは何にもわかっちゃいない。
まあ、母君がどうしてアウトカーストの救済に拘るのかは私も前から気になっていてな、
いつだったか母君に直接質問したことがある。
◆◆
『お母さん?』
『なあに、
『どうしてお母さんはわたしと違って偉い身分がちゃんとあるのに、身分も無いわたしなんかを拾ってくれたの?』
『
『なあに、お母さん?』
『お母さんね、本当は人はみんな平等だと思うの。
平等なはずの私達一人一人を偉いとか偉く無いとか区別する身分なんてのはお母さん間違っていると思う!』
『お母さん……、
ありがとう!
大好き〜♪』
『もー、こら!
急に抱きつかないの!』
『えへへ、ごめんなさい。
でもさ、お母さんはいつからそんな風に思うようになったの?』
『これは私がまだ※この国に嫁ぐ前、
私が父君や大勢の家臣達と一緒に、
隊をなして隣国へ向かっていた道中のことよ』
※マガダ国