「僕のターン……流石に引っかかってはくれないか。
《ボムゾンビ》でダイレクトアタック。」
『ぐゔぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛!!』
「ぐっ!?」
《浅麦 誠》HP30→29
《ボムゾンビ》がかなり気色悪く走りながら倒れ掛かってくる
一応来るのは衝撃だけとは言え絵面が絵面な為に不快感が凄まじい
「アクションカード《生贄》を発動して《ボムゾンビ》を死亡させて僕の最大MPを増加させてもらうよ。」
『ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛!?!?』
《ボムゾンビ》1/3→死亡
《倉木 拓真》最大MP3→4
「更に《ボムゾンビ》の死亡時効果発動といきたかったけどあいにく場には《ボムゾンビ》以外誰も居ないから不発だね」
《ボムゾンビ》はただでさえ膨れ上がっているその胴体を更に膨らませて爆発を引き起こした
幸い血の雨みたいなのは降ってないが中々にグロいな……
「残りのMPを消費して前列中央に《警官ゾンビ》を召喚してターンエンド」
『ぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛お゛!!』
《警官ゾンビ》2/3
《警官ゾンビ》……確か反撃時に攻撃力が上がる能力がある低コストユニットの中でもそこそこ厄介なユニットだ
それにここまでゾンビと名のつくユニットばかりとなると倉木のデッキは種族シナジーを軸にしたゾンビデッキって所か。
ゾンビ系のユニットは基本的に死亡時に効果を発揮する物が多く存在しているのを考えると下手な状況で倒そうとするとこっちが手痛いしっぺ返しを受けそうだな
「俺のターン、MPを4支払い《蠱毒の大蜘蛛》を前列中央に召喚する」
『ーーーー!!!』
《蠱毒の大蜘蛛》4/4
「《蠱毒の大蜘蛛》の召喚時効果発動。
俺のデッキに《蠱毒》と名の付くカードが20枚以上ある場合、俺の職業アビリティを《蠱毒の霧》へと変更する」
《蠱毒の呪霧》は必要アビリティポイントが20とかなり重いがこの職業アビリティにはこのデッキにおいて重要な役割を担っている
「ターンエンド。」
「よりにもよって蠱毒デッキかぁ……相性悪いなぁ」
蠱毒型デッキ、今から5年程前に一時期話題になっていたデッキタイプであり、その特徴は毒。
全体への毒ダメージ付与によって圧倒的なまでの防御性能で対策が練られるまでの間ずっと猛威を振るい続けていたデッキだ
「僕のターン、コストとしてMPを5消費して《融合ゾンビ》を前列中央に召喚してターンエンド」
『『『ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!!』』』
《融合ゾンビ》3/5
「俺のターン」
《融合ゾンビ》……確か能力は死亡時に複数のユニットへの分裂だったな
そうなるとこのターン中に下手に倒すのはやめといた方が良さそうだ
「まずは《蠱毒の大蜘蛛》でダイレクトアタックだ!。」
『ーーーーーっ!!』
「ぐぁ!?」
《倉木 拓真》HP29→25
「コストとしてMPを2消費して《蠱毒のムカデ》を前列左側に召喚する」
『キチチチチチッ!!』
《蠱毒のムカデ》2/2
「《蠱毒のムカデ》の召喚時効果発動、ランダムな敵ユニット一体を《毒》にする!」
『キシャアアァアア!!』
『『『ーーーッ!?!?』』』
《融合ゾンビ》3/5《毒》
今回は発動時に相手の場には《融合ゾンビ》しか居ないため必然的にそっちへと効果は飛んでいく
「更にアクションカード《生贄》を発動。
《蠱毒のムカデ》を破壊して俺の最大MPを1増加させる!」
「やられたなぁ……」
《蠱毒のムカデ》2/2→死亡
《浅麦 誠》最大MP5→6
「残りのMPをアクションポイントへと変換してターンエンド。」
《融合ゾンビ》3/5→3/4《毒》
ターンエンドを宣言するタイミングで俺の目の前に『残りMPが残っていますが本当によろしいのでしょうか?』というポップアップが出てくるか俺はこれをスルーしてターンエンドする
「僕のターン、MPを4消費して後列中央に《ゾンビマスター》を召喚する」
『ケーケッケッケ!』
《ゾンビマスター》3/3
「《ゾンビマスター》の効果発動、このユニットが後列にいる場合前列の全てのユニットに+1/+1する。」
『『『ォォォォォオオオオ!!!』』』
《融合ゾンビ》3/4→4/5《毒》
「《融合ゾンビ》で《蠱毒の大蜘蛛》へ攻撃!」
『キシャアアァアア!!』
『『『う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!』』』
《蠱毒の大蜘蛛》4/4→死亡
《融合ゾンビ》4/5→4/1《毒》
「更にアクションカード《生贄》を使用して《融合ゾンビ》を死亡させるよ」
『『『ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?』』』
《融合ゾンビ》4/1《毒》→死亡
《倉木 拓真》最大MP6→7
「更に《融合ゾンビ》の死亡時効果発動、《ゾンビ》3体に分裂する」
『『『あ゛あ゛あ゛ぁ゛……』』』
《ゾンビ》2/2→3/3
《ゾンビ》2/2→3/3
《ゾンビ》2/2→3/3
《融合ゾンビ》は下から現れた魔法陣によって焼かれていったがその炎が収まると《融合ゾンビ》としてくっついていた3体の《ゾンビ》がそれぞれ前列の右側、中央、左側へと現れていた
しかも厄介なことに全てか前列に要るためにゾンビ達の攻撃力とHPが全て上昇している
「残ったMPをアビリティポイントに変換してターンエンド」
そろそろ職業アビリティが飛んでくるな……
「俺のターン、コストとしてMPを6消費して《蠱毒の呪蜂》を前列中央に召喚する。
《蠱毒の呪蜂》の召喚時効果発動、相手の場にいる全てのユニットに1ダメージを与えて毒にする」
『ーーーー!!!』
『『『ゔぁ゛あ゛!?』』』
『くけっ!?』
《蠱毒の呪蜂》3/2
《ゾンビ》3/3→3/2《毒》
《ゾンビ》3/3→3/2《毒》
《ゾンビ》3/3→3/2《毒》
《ゾンビマスター》3/3→3/2《毒》
「MPをアビリティポイントに変換して職業アビリティ《蠱毒の呪霧》を発動!
相手の場のユニット全員を毒にしてこの対戦中毒の受けるダメージを+1する!
ターンエンドだ。」
《浅麦 誠》HP29《与毒ダメージ+1》
《ゾンビ》3/2→死亡
《ゾンビ》3/2→死亡
《ゾンビ》3/2→死亡
《ゾンビマスター》3/2→死亡
すでに相手全員が毒になっている為かなり勿体ないのだがこうでもしなければ俺の方に12点ものダメージが飛んでくるため流石に見過ごすことは出来なかった
「うっわぁ……そんなカードあったのか、《蠱毒の呪霧》が来るのは予想してたけどそれは想定外だったなぁ」
実際俺もこの《蠱毒の呪蜂》はさっき組んでる時に始めて知ったからな
恐らく最近出て来たユニットなんだろうがこれが当時あったらもっときつくなっていただろうな
「僕のターン、コストとしてMPを8消費して後列中央に《ゾンビコマンダー》を召喚。
召喚時効果で《特攻ゾンビ》を3体追加で召喚するよ」
『ーーー!』
『『『ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛!!』』』
《ゾンビコマンダー》3/7
《特攻ゾンビ》2/1《先制攻撃》
《特攻ゾンビ》2/1《先制攻撃》
《特攻ゾンビ》2/1《先制攻撃》
「《特攻ゾンビ》3体でダイレクトアタック!」
『『『ゔぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛!!!』』』
「ぐあっ!?」
《浅麦 誠》HP29→27→25→23《与毒ダメージ+1》
「《特攻ゾンビ》の攻撃時効果で《特攻ゾンビ》は死亡する。
ターンエンド」
《特攻ゾンビ》2/1→死亡
《特攻ゾンビ》2/1→死亡
《特攻ゾンビ》2/1→死亡
やっぱり数を揃えるよりも短期決戦を狙いに来るか……
蠱毒デッキの対策としてよくあるパターンとしては2つ
毒で落としきれないHPのユニットを何枚も用意する
もう一つが《先制攻撃》のような出てからすぐに攻撃出来るカードで毒ダメージが手遅れなレベルまで上る前に倒す事
基本的に蠱毒デッキは受け身のデッキな為に毒で仕留められなければかなり後手に回りやすく、出て来てからすぐに攻撃してくる《先制攻撃》は対応が難しい
「俺のターン」
正直耐久力が高い《ゾンビコマンダー》はあんまり残したくはない
だがそろそろ手札を引いておかないといけない、そうなると……
「割と賭けだが仕方ないか……
コストとしてMPを4消費してアクションカード《リロード&ドロー》を使用する。
お互いのプレイヤーは手札を全てデッキへと戻してからシャッフルし、5枚引き直す」
「っ!君がそういうランダム性の高くなるカードをいれるとは思わなかった」
「確かに普段なら邪魔にしかならないから使わないが今回のデュエルはフィクスシャッフルが使えないからな」
新しく引いた手札は《蠱毒の青虫》、《蠱毒のムカデ》、《猛毒の呪霧》……っ!来た!
「コストとしてMPを3消費して《蠱毒の鎧虫》を前列左側に召喚する!」
『シャァァァアアアア!!』
《蠱毒の鎧虫》1/4《挑発》
前列左側にまるで鎧のような外殻を持った2足歩行に大量の腕のような節足を持った虫が現れた
「《蠱毒の呪蜂》でダイレクトアタック!」
『キチチチチチ!!』
「あ痛っ!?」
《倉木 拓真》HP25→22
「残りMPをアビリティポイントに変換してターンエンド」
「僕のターン……ふむ」
倉木の奴は少し考え込むような様子を見せている
手札の内2枚をみている所から恐らく撃てる手が複数あるのだろう、流石に《ゾンビコマンダー》をもう一枚引いているとは考えたくないな……