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第34話 いたずらの化身


「俺のターン。

MPを1消費して後列左側に《デーモンシャドウ》を召喚」

『………!』


《デーモンシャドウ》0/1《隠れ身》


「更にMPを3消費してアクションカード《粗悪な模造品》を使用する。

場にいる《デーモンシャドウ》を対象として選択して同じカードを攻撃力とHPをマイナス2した状態で複製して手札に2枚加える。」


《デーモンシャドウ》の能力は始めから最低値の粗悪な模造品の効果で能力が下がったとしても変化することはない。

基本的に能力ダウンの上限は攻撃力は0でHPは1より下に下がることは無いのだ


「前列中央に《デーモンシャドウ・コピー》を召喚してターンエンド」

『………!』


《デーモンシャドウ・コピー》0/1《隠れ身》


《デーモンシャドウ》0/1→1/1《隠れ身》

《デーモンシャドウ・コピー》0/1→1/1《隠れ身》


「私のターン。

MPを5消費して《癒しの聖剣》を装備!」


《癒しの聖剣》3/3


「《癒しの聖剣》で《メタルゴーレム》に攻撃!」

『ーーーー!?!?』



《メタルゴーレム》0/3《封印》→死亡

《癒しの聖剣》3/3→3/2


「《癒しの聖剣》の効果発動!

この武器で与えたダメージと同じ量のHPをプレイヤーは回復する!」


《戦葉 優希》HP21→24


HP吸収効果……よりにもよってそんな武器まであるのか……


「ターンエンド」

「俺のターン。」


俺は山札からカードをドローし、予定通りのタイミングで来たカードに笑みを浮かべる


とはいえ恐らく戦葉会長は簡単に対応してくるのは間違いない。

だがこのカードがもし犠牲になったとしても相手の手数を減らしながら煩わせられるなら十分過ぎる戦果だ


「俺はMPを6支払い前列左側に《いたずらの化身・ランタン王ジャック》を召喚する!!」

『ヒャーッハハハハハハ!!イタズラの時間だぁ!!』


《いたずらの化身・ランタン王ジャック》3/3《隠れ身》


前列左側に巨大なヒビ割れた顔を持った王冠を被ったジャックランタンが現れる。

その手には巨大なランタンを持っており、その虚ろなカボチャの瞳の奥には紫色の炎が見えている


俺が昨日の夜に新たに得た共通ユニークレアカード《いたずらの化身・ランタン王ジャック》。

このカードは素の性能こそ低いものの非常に強力な能力を持ったカードであり、場にいるだけで厄介な効果を発揮するカードだ


そしてその効果は《隠れ身》によって守られ、先程のような全体封印や範囲指定やランダム、全体攻撃以外でこのユニットを無力化することは基本的に難しい


「《いたずらの化身・ランタン王ジャック》の効果発動!

このユニットが場に存在する間お互いのプレイヤーの他札にあるユニット以外のカードの必要コストは+1される」

『キヒヒヒヒヒヒッ!』


こっちのカードのコストまで上がるのは若干デメリットではあるがこのユニットの真骨頂は別にある


「ターンエンド。」


《デーモンシャドウ》1/1→2/1《隠れ身》

《デーモンシャドウ・コピー》1/1→2/1《隠れ身》


「ふむ……厄介なユニットだな。

だがユニークレアにしては能力が弱いな……」


やはり戦葉会長はそこに違和感を持ったか


だがこのカードの効果は基本的に回避不能な為に対処方法は限られる。


「私のターン。

コストとしてMPを4支払いアクションカード《破邪の雷》を発動。

ランダムな敵ユニットに3ダメージ!」

『ーーーーッ!?!?』


《デーモンシャドウ・コピー》2/1《隠れ身》→死亡


「ランタン王ジャックの効果発動!

相手プレイヤーが手札からカードを出した場合ランダムな敵一体に2ダメージ!」

『お仕置きだぁ!!』

「くううっ!?」


《戦葉 優希》HP24→22


「なるほど……かなり厄介なカードねそれ。

下手に無視すればこちらの盤面がどんどん荒らされて対処しようとすれば基本的にアクションカードに頼らざるを得ないから通常よりも多くMPを消費する必要がある。

MPをアビリティポイントに変換して浅麦君にダイレクトアタック!」

「ぐっ!?」


《浅麦 誠》HP28→25


《戦葉 優希》HP22→25


「ターンエンド」


不味いな、思った以上に《癒しの聖剣》が面倒くさい


そこそこの攻撃力で強化無しで3回も振れる上にHPの吸収……これ単体だけで9も回復される


それにさっきから違和感があったが戦葉会長……今回のデュエルで武器を強化する類のカードを全く使っていない

まるで複数の武器を使う事そのものが目的なような気がする


「俺のターン。

コストとしてMPを4支払い前列中央に《盗賊団のアジト》を設置する」


《盗賊団のアジト》耐久値5


「《盗賊団のアジト》の設置効果発動。

相手プレイヤーのデッキからカードを2枚奪い、このフィールドが残っている間このデッキに入っていないカードのコストを−1する。」


手札に入ったカードは……《神速の聖剣》と《破邪の一撃》か


2回攻撃の《神速》の聖剣を奪えたのは大きいが攻撃力が1となると盗賊じゃ使い道がないな


《破邪の一撃》は指定した範囲+上下左右の十字の範囲に3ダメージを与えるアクションカード、コストは6か……説明を見る限りこれは相手のプレイヤーにも攻撃出来るタイプのようだ


とりあえずいい加減手札を消費しないと溢れるな……


「コストとしてMPを1支払い《いたずらの化身・ランタン王ジャック》に《強化の宝物》を使用する。

選択したユニットに対して+1/+1する!」

『あむっ!うまぁぁぁあい!!』


《いたずらの化身・ランタン王ジャック》3/3→4/4《隠れ身》


とりあえずこれで3点ダメージまでならケア出来たが4点や全体封印とかが飛んできたら意味が無くなるな……


「更にコストてしてMPを1支払い後列右側に《デーモンシャドウ・コピー》を召喚する。

その後残りのMPをアビリティポイントに変換してターンエンド」

『ーーーー!!!』


《デーモンシャドウ・コピー》0/1《隠れ身》


《デーモンシャドウ》2/1→3/1《隠れ身》

《デーモンシャドウ・コピー》0/1→1/1《隠れ身》


「私のターン。

MPを5支払い《勇者の光》を発動。

再度全ての敵ユニットを封印する!」

『ただでやられてたまるかぁ!ぐえ!?』

『『ーーー!?!?』』

「きゃ!?」


《戦葉 優希》HP25→23


《いたずらの化身・ランタン王ジャック》4/4《隠れ身》→3/3《封印》

《デーモンシャドウ》3/1《隠れ身》→0/1《封印》

《デーモンシャドウ・コピー》1/1《隠れ身》→0/1《封印》


不味いな……もう一枚の《勇者の光》を引かれたか


最後っ屁で2ダメージは与える事は出来たがかなりあっさりと対処されてしまったな


「一気に仕留めさせてもらおうか!

職業アビリティ《勇者の雷》を使用してこのターンの間だけ私の攻撃力を+3して《超貫通》を付与する!!

《癒しの聖剣》で《デーモンシャドウ》を攻撃!

ハァァァァァァァアアアア!!!」

『ーーーーッ!?!?』

『ギャァァァァァァァァァァアアア!?!?』

「ぐぁぁぁっ!?」


《デーモンシャドウ》0/1《封印》→死亡

《いたずらの化身・ランタン王ジャック》3/3《封印》→死亡

《浅麦 誠》HP25→19


《戦葉 優希》HP23→29

《癒しの聖剣》6/1《超貫通》→破壊


戦葉会長の放った雷を纏った斬撃は《デーモンシャドウ》を両断した後に凄まじい電撃を伴った真空波を生み出してランタン王ジャックを真っ二つにして俺の元にまで凄まじい衝撃を叩きつけた


武器が壊れたのは良いがHPをほぼ全回復された上にかなりきついダメージを貰ってしまった


「更にコストとしてMPを2消費して後列中央にフィールドカード《聖剣の台座》を設置する」


《聖剣の台座》耐久値3


「このカードが手札から場に出た時、デッキの中から最もコストの高い《聖剣》と名の付くカードを一時的に除外する。」


戦葉会長のデッキからカードが一枚抜かれて青白い炎によって灰になる


だが一時的ということは恐らくこのフィールドが壊れる事をトリガーとして戻ってくるのだろう


「ターンエンド。」


《聖剣の台座》耐久値3→2


ターンエンド時に耐久値が減るタイプ……そうなるとタイムリミットは2ターンと見たほうが良いか


「俺のターン、コストとしてMPを2消費してアクションカード《守護の宝物》を使用する。

次の自分のターン開始までプレイヤーの受けるダメージを−3

する!」


《浅麦 誠》HP19→19《被ダメージ−3》


「更にMPを2消費して再度アクションカード《盗まれた宝物》を使用する。」


手に入った宝物は……《反撃の宝物》、《守護の宝物》、《剛力の宝物》か場合


「MPを4消費して《反撃の宝物》を使用する。

次の俺のターン開始までダメージを受けた場合3ダメージを相手に返す!

ターンエンド」


《浅麦 誠》HP19《被ダメージ−3》《反撃ダメージ+3》


これでデッキ外から得たカードは10枚、準備は整ったが恐らくトドメは差しきれないだろうな……




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