目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第47話 鉄壁対絡め手

「オレのターン。

MPを2消費して前列中央に《双盾の騎士》を召喚してターンエンド」

『フンッ!』


《双盾の騎士》1/4《挑発》


先輩側の前列中央に2枚の盾を構えた全身鎧の騎士が現れる


それにしてもHPが高く攻撃力の低いユニット……どう考えても《デーモンシャドウ》による処理のケアだなこれは


正直対処しても良いんだがそれはそれで俺が後手に回ってしまうために少々嫌だな


「俺のターン。

MPを2消費して前列中央に《スラム街のどろぼう》を召喚。」

『ヒャーッハハハハ!!』


《スラム街のどろぼう》1/1


「《スラム街のどろぼう》の召喚時能力発動、先輩のデッキからカードを1枚盗み、手札に加える」

『頂いていくぜ!』

「ぬぅ……」


俺の手札にコスト4のアクションカード《重装化》が加わる


効果は発動時に"全ての味方ユニットに《被ダメージ−1》"を付与か……全てのってのがまた厄介だな


先輩の方は少々面倒そうに顔を顰めている


基本的デッキから盗まれたカードは相手側からは分からない為、キーになるカードを盗まれていても気付けずにずっと待つという場合もたまにある為に相手からすれば割と不安になるんだろうな


「更に残りのMPで後列右側に《デーモンシャドウ》をもう1体召喚」

『ーーー!』


《デーモンシャドウ》0/1《隠れ身》


「ターンエンドと同時に効果発動、《デーモンシャドウ》2体の攻撃力を+1する」


《デーモンシャドウ》2/1→3/1《隠れ身》

《デーモンシャドウ》0/1→1/1《隠れ身》


「ふむ……予想以上に動きが慎重だな。

オレのターン、MPを3消費して前列左側に《カウンターナイト》を召喚」

『はあぁ!』


《カウンターナイト》0/4《挑発》


前列左側の魔法陣から大盾に身を隠しつつ刀身が大きく円形に曲がった奇剣の一種、ショーテルを装備した全身鎧の騎士が現れる


確かにあの剣は前世でも元々盾等に身を隠しながら攻撃を出来る特殊な武器の一種として扱われていたな、仮想空間とはいえ実際に使われているのを見ると新鮮だな


それにしても攻撃力0……名前からして恐らく反撃時に攻撃力が上がるタイプのユニットだな、そうなると放置が安定択だろう


「《双盾の騎士》で《スラム街のどろぼう》に攻撃」

『ハァァァァアアア!!』

『ぐえっ!?』


《スラム街のどろぼう》1/1→死亡


《双盾の騎士》1/4→1/3《挑発》


《スラム街のどろぼう》は《双盾の騎士》の持つ2枚の盾にサンドウィッチされて潰されて死亡していく


地味に嫌な死に方だな


「ターンエンド」

「俺のターン。

MPを4支払い後列中央にフィールドカード《盗賊団のアジト》を設置する」


《盗賊団のアジト》耐久値5


「《盗賊団のアジト》の設置効果発動、相手のデッキからカードを2枚盗み、手札にある本来デッキに存在しないカードのコストを−1する」


先輩のデッキからカードが2枚俺の手札へと引き寄せられ、俺の手札のうち4枚のコストが−1される


盗めたカードはコスト6の《砲盾の重騎士》にコスト4の《銃槍の騎士》か……どちらも《挑発》持ちユニットだな


「前列左側の《デーモンシャドウ》で《双盾の騎士》に攻撃」

『ーーーーッ!!』

『ゴフッ!?ォォォォォオオオ!!!』


《双盾の騎士》1/3→死亡

《デーモンシャドウ》3/1→死亡


《デーモンシャドウ》が突如として《双盾の騎士》の目の前に現れてその鋭い爪で頑丈な鎧ごと《双盾の騎士》の胸を貫くが負けじと《双盾の騎士》もその両手の盾を大きく横に構えて《デーモンシャドウ》を挟んですり潰した


「ターンエンドと同時に効果発動、《デーモンシャドウ》の攻撃力を+1する」


《デーモンシャドウ》1/1→2/1《隠れ身》

《盗賊団のアジト》耐久値5→4


「オレのターン、コストとしてMPを4消費して前列右側に《銃槍の騎士》を召喚」

『出番か……』


《銃槍の騎士》2/5《挑発》


相手の前列右側に大型の突撃槍の先端に砲身のついた何処か見覚えしかない槍を装備した重鎧の騎士が現れる


「《銃槍の騎士》の召喚時効果発動、正面のユニットに2ダメージを与える」

『狙い撃つ!』

『ーーッ!?』


《デーモンシャドウ》2/1→死亡


やられた、正面のユニットという事は範囲指定の攻撃だ


《隠れ身》は基本的に自分を対象として選ぶ事が出来ないというだけであり、マスを指定するタイプや全体効果、ランダムな対象への効果は避けることが出来ない


「ターンエンドだ」


先輩のデッキのコンセプトは恐らくひたすら《挑発》持ちのユニットを出すことで無理やりユニット同士の正面戦闘に持っていき、守りに徹しながら攻撃の準備を整えるタイプだな


「俺のターン。

コストとしてMPを5消費して前列中央に《砲盾の重騎士》を召喚」

「よりによってそいつを盗まれてたか!

しかもコストを踏み倒してやがる!」

『ふんッ!!』


《砲盾の重騎士》2/7《挑発》


こちらの前列中央に大盾の中央に大きな砲が備え付けられた特殊な盾を装備した重騎士が現れる


「《砲盾の重騎士》の召喚時能力を発動、ランダムな敵ユニットに2ダメージを3回振り分ける」

『発射ァッ!!』

『うぐっ!?』

『がぁっ!?』


《銃槍の騎士》2/5→2/1《挑発》

《カウンターナイト》0/4→0/2《挑発》


「ターンエンド」


《盗賊団のアジト》耐久値4→3


やはり《盗賊団のアジト》によるコスト踏み倒しはかなり強力だ、惜しむらくはコンセプトの都合上どうしても相手に依存してしまう部分が強いというくらいで弱点らしい弱点がない


「オレのターン。

MPを5消費して前列中央に《クレリックナイト》を召喚」

『お守りします!』


《クレリックナイト》3/5《挑発》


「《クレリックナイト》の召喚時効果発動。

味方全体のHPを3回復する」

『主よ、我ら守り手を癒したまえ……』


《銃槍の騎士》2/1→2/4《挑発》

《カウンターナイト》0/2→0/4《挑発》


《被ダメージ軽減》付与のアクションカードに加えて《回復》能力持ちまでいるとは……流石に上級生、カードの組み合わせが厄介過ぎる


「《銃槍の騎士》で《砲盾の重騎士》に攻撃!」

『『はぁぁぁぁああ!!』』


《砲盾の重騎士》2/7→2/5《挑発》

《銃槍の騎士》2/4→2/2《挑発》


「ターンエンド」

「俺のターン、MPを6消費して前列右側に《いたずらの化身・ランタン王ジャック》を召喚!」

『ケケケ〜〜!』

「さっそく出てきたか!」


《いたずらの化身・ランタン王ジャック》3/3《隠れ身》


「ランタン王ジャックの能力発動。

このユニットが場に存在している限りお互いのプレイヤーは手札にあるユニット以外の全てのカードのコストを+1する!」

『いたずらマジックだぁ!』


オレの手札の何枚かのコストが上昇するが、《盗賊団のアジト》の効果も合わさり、《重装化》に関してははコストが戻るだけで済んでいる


今回のデッキにはアクションカードはあまり採用しておらず、ユニット主体のデッキとなっている


採用しているアクションカードも基本は2〜3コストの物ばかりの為1コスト上がるくらいであればそこまで影響は出ない


そしてこのデッキは時間稼ぎも目的の一つの為俺はここで攻撃をしないことにする


「ターンエンド」


《盗賊団のアジト》耐久値3→2


「む?攻撃はしなくて良いのか?」

「今回はする理由が無いので」

「ふむ、まぁいい……オレのターン。

コストとしてMPを6消費してアクションカード《重鎧結界》を発動!

味方全体に《バリア》を一つ付与する」


《|殻盾 衣《からたて ころも》》HP30+《バリア:1》

《銃槍の騎士》2/2《挑発》+《バリア:1》

《カウンターナイト》0/4《挑発》+《バリア:1》

《クレリックナイト》3/5《挑発》+《バリア:1》


バリアも採用してるのか!?


「《いたずらの化身・ランタン王ジャック》の効果発動。

このユニットが《隠れ身》を維持している間相手のプレイヤーが手札を使う度にランダムな敵に2ダメージを与える」

『オシオキだぁぁ!』

『くっ!?』


《クレリックナイト》3/5《挑発》→《バリア解除》


「厄介だな……《クレリックナイト》と《銃槍の騎士》で《砲盾の重騎士》を攻撃!」

『『はぁぁぁ!!』』

『ぐぅぅう!?!?』


《砲盾の重騎士》2/5→死亡


《クレリックナイト》3/5→3/3《挑発》

《銃槍の騎士》2/2《挑発》→《バリア解除》


「ターンエンドだ」

「俺のターン。

MPを6消費して後列右側に《裏の何でも屋》を召喚」

『俺は高く付くぜ』


《裏の何でも屋》4/6


「《裏の何でも屋》の召喚時効果発動手札から合計コストが自身のコストを上回るように2枚カードを捨てることで自身のコストと同じMPを回復する」


俺は《重装化》と《銃槍の騎士》を捨ててMPを6回復する


手札が若干多かったのでそろそろ処分しておきたかったんだよな


「更に職業アビリティ《奪う》を使用。

先輩のデッキから更にカードを2枚盗む」


俺は先輩のデッキから更にカードを2枚盗む


盗めたカードはコスト6の《衝撃の重騎士》とコスト8の《溶岩の騎士》


俺はその中でも《溶岩の騎士》の能力に注目した


「コストとしてMPを7消費して前列左側に《溶岩の騎士》を召喚!」

『ォォォォォオオオオ!!!』


《溶岩の騎士》0/12《挑発》


俺の前列左側のマスに発生した魔法陣から全身が溶岩の鎧に包まれた巨人のような騎士が現れる


「《溶岩の騎士》の能力発動。

このユニットは自身の召喚時と被ダメージ時に敵全体に1ダメージを与える!」

『ゥォォォオオオオ!!!』

『くっ』

『あつっ!?』

『ぬぐぅ!?』

「ムッ……」


《殻盾 衣》HP30→《バリア解除》

《カウンターナイト》0/4《挑発》→《バリア解除》

《銃槍の騎士》2/2→2/1《挑発》

《クレリックナイト》3/3→3/2《挑発》


「ターンエンドだ」


《盗賊団のアジト》耐久値2→1


さて、あと少しで仕掛けられそうだな




この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?