「俺のターン」
流石に《スパルタンチャリオット》は残すにはあまりにも不味いために処理したいがここで《プレゼントミミック》を失いたくはないな。
「コストとしてMPを2支払いアクションカード《計画的襲撃》を発動。
《スパルタンチャリオット》に2ダメージを与えてデッキからカードを1
『ヌゥゥウウウ!!』
『ヒヒィィィイン!?!?』
《スパルタンチャリオット》6/2→死亡
「残ったMPで後列中央に《デーモンシャドウ》を召喚」
『ーーーー!!』
《デーモンシャドウ》0/1《隠れ身》
「《プレゼントミミック》でダイレクトアタック!」
『ガプァァ!!』
『ぬぅぅぅう!?!?』
《スパルタンソルジャー》HP27→24《常時武器攻撃力+2》《行動不能》
「ターンエンド」
《デーモンシャドウ》0/1→1/1《隠れ身》
『ォォォォオオオ!!』
今は盤面有利を保てているが確か《スパルタン》系統のカードには1/1のユニットで盤面を埋め尽くすカードもあったはずだ。
こっちは単体の処理ならともかく複数の処理を一気に行うとなると可能なカードは限られる。
『ォォォォオ!!』
《スパルタントリオ》3/3
「あぁ……バレてんなこれ」
《スパルタンソルジャー》は何の迷いもなく前列中央に大盾、剣、弓を持った3人の兵士が現れる。
人型のやつがどいつもこいつも武装やらが違うだけで全く同じ顔と防具だから見分けがつけにくい。
そして《スパルタントリオ》はそのまま飛び上がり前列の3箇所を埋める形で分かれる。
《トリオナイト》3/2
《トリオシールダー》0/3《挑発》
《トリオアーチャー》2/1《狙撃》
《スパルタントリオ》は分裂能力を持ったコスト4のカードであり、3体の異なる能力を持ったユニットに変化する為に非常に処理が面倒くさい。
しかも無駄に耐久力のある《挑発》ユニットも同時に出してくる為に既にユニットが存在している状態で召喚されると更に面倒くささが増す。
そしてこのユニットを迷いなく出したとなるとこいつらを最優先で全て潰す以外の選択が無いことを悟られている可能性がある。
もし確信はなくてもこれで全てを処理した場合は実質そう言っているような物だ。
こいつ……どう考えてもをかなり手慣れている。
『ォォォオオ……』
顔が完全に兜に覆われているために表彰は読めないがどう見てもこちらを試すような態度にしか見えない。
《スパルタンソルジャー》HP24《常時武器攻撃力+2》→《行動不能解除》
「俺のターン……」
正直な所あまりこいつの思惑に乗りたくはないんだがな……やるしかないだろう。
「コストとしてMPを2消費して《計画的襲撃》をもう一度発動する。
《トリオナイト》に2ダメージを与える!」
『ヌァァア!?』
《トリオナイト》3/2→死亡
これによって更にカードを1枚奪い、手札が更に増える。
ただ手札を増やし続ければ俺の方も手札が溢れてしまう為にここでもう1枚カードを使う事にする。
「残りのMPを捧げて武器カード《盗賊のナイフ》を装備する」
《盗賊のナイフ》攻撃力1 耐久力2《反撃ダメージ−1》
武器カードの良い点は装備したそのターンから攻撃出来る点だ。
だがこれならば被害を最小限にしながら突破する事が出来る。
「《プレゼントミミック》で《トリオシールダー》を攻撃!」
『ガパッ!ガパパッ!』
『っ!?!?』
《トリオシールダー》0/3→死亡
「続けて俺自身で《トリオアーチャー》を攻撃する!
はぁ!」
『っ!?』
「くっ!?」
《トリオアーチャー》2/1→死亡
《浅麦 誠》HP26→25《反撃ダメージ−1》
《盗賊のナイフ》攻撃力1 耐久力2→1
よし、これで全滅させることが出来た。
また《騎乗》でいきなりデカいのが殴ってくるのだけは勘弁して欲しいからな。
「ターンエンド」
《デーモンシャドウ》1/1→2/1《隠れ身》
『……ォォォオオ』
あぁ、やっぱり試していたなこいつ……
『ォォォォオオオ!!』
《スパルタンソルジャー》5/6
前列中央にこいつ自身がもう一体現れる。
能力こそ無いバニラユニットではあるがスタッツがかなり高いな。
プレイヤーとしての《スパルタンソルジャー》の攻撃も含めるとかなり厄介だ
単純にスタッツが高いだけでも残す訳にもいかないというのがかなり面倒だ。
《計画的襲撃》はさっき使い切ってしまったし自分で攻撃してダメージを稼ごうにも《反撃ダメージ−1》があっても5ダメージも貰ってしまうためにあまりにも割に合わない。
『ォォォォオオオオオオオ!!!』
「くぅっ!?」
《浅麦 誠》HP25→23
少しずつとはいえ削られて来ている。
少なくとも1回こっちの盤面を犠牲にする必要があるな……
《スパルタンソルジャー》HP24《常時武器攻撃力+2》+《行動不能》
「俺のターン、《プレゼントミミック》と《デーモンシャドウ》で《スパルタンソルジャー》を攻撃!」
『ガパパッ!』
『ーーーー!!!』
『ォォォォォォオオオオオ!!!』
『ガパァ!?』
『ーーーーッ!?!?』
《スパルタンソルジャー》5/6→5/3→5/1
《プレゼントミミック》3/3→死亡
《デーモンシャドウ》2/1→死亡
「MPを5消費して前列中央に《怪盗キャット》を召喚」
『にゃっふふふ♪』
《怪盗キャット》2/2
前列中央からレザースーツに身を包み、マスクで顔を隠した猫娘が現れる。
そしてその両手の指の間にはまるで爪のように3本ずつのナイフが差し込まれていた。
「《怪盗キャット》の召喚時能力発動。
このユニットの前方に存在するランダムな敵ユニットに2ダメージを与える。」
『頂きっ!』
『ォォォォオオオッ!?』
《スパルタンソルジャー》5/1→死亡
「さらにこのダメージで敵ユニットを死亡させた場合、そのユニットの能力の半分を奪う。」
『にゃ〜ん♪力が湧いてくるにゃ〜!』
《怪盗キャット》2/2→4/5
このユニットは能力としては5コストにしてはかなり弱い部類の為に今までは使ってこなかった。
ただ今回のデッキを作る際にこの能力を奪うという物を見てふとこのカードの能力が何かに必要なような気がしてならなかった為に1枚だけ入れたカードだ。
まさかこんな所で役に立つとは思わなかったな……
『奪え……チカラを奪え……!』
「ぐっ……!?」
頭に声が響く……山札のある場所から赤黒い炎のようなオーラが俺の方へと伸びている。
あの場所に入れたカード……アルセーヌ=グリードか!
赤黒いオーラが纏った俺の手からまるで力が溢れてくるような妙な感覚がしてくる。
それに加えて俺の纏っている装備が少しずつではあるが先端から変化し始めているような気がする。
「そういうことかよ……」
俺が上級職へと至るための条件……奪えというのはカードではなくそのユニット達の力を奪うということだったらしい。
『奪え……"全て"を奪え……!』
"全て"か……ある意味俺の所にアーマゲドンが来たのは運命だったのかもしれないな……
「俺自身でダイレクトアタック!!」
『ヌゥゥ!』
《スパルタンソルジャー》HP24→23《常時武器攻撃力+2》《行動不能》
《盗賊のナイフ》→破壊
「《盗賊のナイフ》破壊時の効果発動。
相手のデッキからカードを1枚奪う」
よし、これでデッキ外のカードのカウントをさらに進めることが出来た。
「ターンエンドと同時に《怪盗キャット》の能力発動。
手札からカードを1枚捨てる。」
『貰ってくね〜』
俺がこのカードを入れたくなかったもう一つの理由はこれだ……手札を整理すると考えれば良いのだろうが正直俺としては割とありがた迷惑でしか無かった。
出てきたタイミングで選んだカードを捨てるのであれば問題ないのだが存在している間ずっと捨て続けなければならない為に下手に残ってしまうとこっち側がジリ貧になりかねない為にあまりこの手のカードは使いたくないのだ
このまま少しずつでもいいから時間を稼がないとな……