俺の職業のクラスアップによって俺の場のユニット及びデッキのカード、手札は全て変化していた。
前列中央に配置していた《ロブバンデット》は《グリードバンデット》へと変化している。
《ロブバンデット》5/5→《グリードバンデット》5/5《強欲0/3》
スタッツこそ変わっていないが攻撃時に特殊能力が追加され、より強力なユニットとなっている上に《強欲》という特殊能力も追加されていた。
《強欲》はこれ単体では何の効果も無いのだが相手がカードを得る度に特殊なスタックが溜まっていき、そのスタックがカードそれぞれに設定されたスタックまで溜まると発動する能力のようだ。
クラスアップの影響で『アルセーヌ』と『アーマゲドン』以外の2枚も変化していた為、下手したらコストが上がってこのターンはこれ以上動けなくなるのではと心配したがそちらの方も問題はないようだ。
「コストとしてMPを4消費し、前列右側に《グリードドミネイター》を召喚。」
『どの子から縛り付けられたいかい?』
《グリードドミネイター》2/3《強欲0/4》
前列右側から鞭や手錠、足枷などといった拘束具を全身に飾り付けられた重そうなドレスを身に纏った貴婦人が現れる。
「《グリードドミネイター》の能力発動。
このユニットは自身のコスト以下のユニット1体を選択して《封印》と《先制攻撃》を付与してこちらの場に移動させる。
俺は《侵食:ウェポンユーザーパー》を対象として選択する。」
『さぁ!支配してあげるわ!』
『aaaAAaaaAAAAァァァァアアアア!?!?』
《侵食:ウェポンユーザーパー》5/3《侵食》→《ウェポンユーザーパー》0/3《封印》《先制攻撃》
《グリードドミネイター》の持つ数々の拘束具が《侵食:ウェポンユーザーパー》を次々と縛りあげ、こちら側の前列左側へと強制的に移動させられる。
そしてやはり《封印》を入れることで侵食の影響を解除出来るのは間違いないらしい。
そして俺の場に来たのなら……!
『欲……し……い……欲しいゾ……武器ヲモット寄越せぇぇぇぇぇええええ!!!!!』
《ウェポンユーザーパー》が発狂するようにそう叫ぶとその全身が赤黒いオーラによって包まれていく。
赤黒い色の日本の僧のが纏うようなタイプの衣を身に纏い、その背後には槍、刀、槌、銃、大鎌等の多数の武器を背負っている巨漢の大男へと変化した。
『さぁ、貴様の武器を差し出すがよい!』
《ウェポンユーザーパー》0/3《封印》《先制攻撃》→《グリードベンケイ》3/4《強欲0/2》
予想通りだ、《ウェポンユーザーパー》が変化した上に嬉しい誤算として《封印》なんかも解除されている。
《先制攻撃》も解除された為にこのターンでな攻撃は出来ないが次のターン能力アリで動けるのであれば十分過ぎる。
「《グリードバンデット》でダイレクトアタック!」
『くらえやぁ!』
「グッ!?」
《鬼童 亮太》HP19→14
「《グリードバンデット》の攻撃時効果発動!
このユニットが攻撃した時、相手のプレイヤーはカードを1枚引いてから山札に1枚戻す!」
『テメェのもん漁らせて貰うぜ』
「ァあ゛……?」
《グリードバンデット》5/5《強欲0/3》→《強欲1/3》
《グリードドミネイター》2/3《強欲0/4》→《強欲1/4》
《グリードベンケイ》3/4《強欲0/2》→《強欲1/2》
この効果は相手の手札を整理させてしまう為一見相手側にしかメリットが無いようには思えるが本当の狙いはそこじゃない。
相手に1枚"引かせる"という能力の都合上必然的にこちらのユニットの《強欲》のスタックが溜まっていくのだ。
そして何よりも相手の手札の枚数が変わることは無い
「ターンエンドだ。」
「ォ゙゛れのダーン!!」
《グリードバンデット》5/5《強欲1/3》→《強欲2/3》
《グリードドミネイター》2/3《強欲1/4》→《強欲2/4》
《グリードベンケイ》3/4《強欲1/2》→《強欲2/2》
ターン開始時のドローによりこちら側の強欲スタックが上昇し、《グリードベンケイ》のスタックが最大になった。
「《グリードベンケイ》の《強欲》発動!
ランダムな敵ユニット1体の攻撃力を半分奪う!」
『武器を置いていってもらおうか!!』
《エロージョンリザード》3/1→1/1《侵食》
《グリードベンケイ》3/4→4/4《強欲0/2》
「グゥ……コすドどじテMPヲ6消費……前列ひ、左側ニィ……《エロージョンガーディアン》をジョう゛ガn……!」
《エロージョンガーディアン》4/8《挑発》《侵食》《被ダメージ−1》
また随分と強力な……
「《エロージョンリザード》デ……《グリードドミネイター》ヲ゛ゴぅ゛ゲGi!!」
『ぐぎギぎャ゛GyAAAaaAaaa!!!!』
『俗物が!』
『ぐギゃッ!?』
《グリードドミネイター》2/3→2/2《強欲2/4》
《エロージョンリザード》1/1→死亡→消滅
「ダーんEンど!」
《エロージョンガーディアン》4/8→5/7《挑発》《侵食》《被ダメージ−1》
「俺のターン!
コストとしてMPを7消費して後列左側に《強欲の簒奪獣・アーマゲドンビースト》を召喚する!!」
『グルォォァァァァァァアアアアアアア!!!!』
《強欲の簒奪獣・アーマゲドンビースト》0/1《強欲0/10》《全体攻撃》
俺の方の後列左側から鎖で出来た巨大な獅子の下半身にドラゴンの頭を模した尻尾、3対6枚の翼に鷹の両前足と狼の頭部を持った、まさにキメラやグリフォンが混ざったような姿の『アーマゲドン』が現れた。
正直進化というか『暴走』のが正しい気がするのは俺だけだろうか?
「《強欲の簒奪獣・アーマゲドンビースト》の召喚時能力発動!
このユニットの召喚時、場にいる全てのユニットの攻撃力とHPを0/1にし、能力の減少合計値の半分を自身の能力として加算する!」
『ォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!』
『ぶ、武器がぁ!?』
『妾の道具を持っていかないでくれ!?』
『俺様の仕事道具が!?』
『ッ!?!?』
《グリードバンデット》5/5→0/1《強欲2/3》
《グリードドミネイター》2/2→0/1《強欲2/4》
《グリードベンケイ》3/4→0/1《強欲2/2》
《エロージョンガーディアン》5/7→0/1《挑発》《侵食》《被ダメージ−1》
《強欲の簒奪獣・アーマゲドンビースト》0/1→7/8《強欲0/10》《全体攻撃》
「ターンエンドだ。」
この《強欲の簒奪獣・アーマゲドンビースト》はカードの絵の枠を超えてカード全体にその姿が描かれたカードだ。
その姿の真の意味は次のターンで明らかになる。
「ォ゙゛……オ゛れのたーン゛!!」
《グリードバンデット》0/1《強欲2/3》→《強欲3/3》
《グリードドミネイター》0/1《強欲2/4》→
《グリードベンケイ》0/1《強欲0/2》→《強欲1/2》
《強欲の簒奪獣・アーマゲドンビースト》7/8《全体攻撃》《強欲0/10》→《強欲1/10》
《グリードバンデット》の《強欲》がたまり切ったがこいつの能力は相手のスタッツを奪う能力の為不発してしまう。
タイミングは悪いんだがどうしても《強欲の簒奪獣・アーマゲドンビースト》の方が優先だった。
「MPを7消費ジあぐし゛ョんガーど《エロージョンブースト》をはつドう゛!!」
『ーーーーーーッ!?!?』
《エロージョンガーディアン》0/1→7/8《挑発》《被ダメージ−1》《侵食》+《攻撃不可》
成る程、1ターン動けない代わりに+7/+7は《挑発》持ちならかなり強いな……《侵食》も考えると実質+8/+6といった所だろう。
アーマゲドンで倒そうにも《被ダメージ軽減》に加えてその攻撃力でこっちがやられてしまう。
確かに下手には攻撃出来ないな。
「ターん゛エnド!」
《エロージョンガーディアン》7/8→8/7《挑発》《被ダメージ−1》《侵食》
「俺のターン。」
だがそれは俺が前までの盗賊であったならの話だ!
「俺のターン!MPを8消費して後列右側に《強欲の化身・アルセーヌ=グリード=ルパン》を召喚!!」
『フハハハハハハハ!!!!』
《強欲の化身・アルセーヌ=グリード=ルパン》3/3《強欲0/10》
俺が『強欲』へと至った事で『アルセーヌ』の能力はかなり大きく変化した。
今までの奪った枚数による能力付与は全て削除されてしまったがそれを考えてもあまりにも強い能力だ。
だが今回はそちらを使わずにもう一つの本命の能力を発動させる。
「この場の前列、又は後列に《強欲の簒奪獣・アーマゲドンビースト》及び《強欲の化身・アルセーヌ=グリード=ルパン》が正しい位置で揃った時、俺はこの2枚を組み合わせる事が出来る。」
2枚のカードの位置がだんだん中央へと寄っていき、さらにその中央に新たなカードが現れた後にカード同士が合体して3枚のカードを用いた巨大なカードとなる。
「全てを奪い尽くせ!《強欲獣・マモン!!》」
『キュルォァァァァァァァアアアアアア!!!!!!』
《強欲獣・マモン》10/10《全体攻撃》《先制攻撃》《強欲1/10》