(なんだ?何が起こってるんだ?)
そんなことを
(魔力が
今まで見えていた魔力とは明らかに違う量の魔力が男達から
すると男達にこれまでと違う変化が起きた。
「アガッ……アアアアァァァァッッッ……!!!!」
「ウガアアアアアァァァァッッッ……!!!!」
まるで
「っ!?」
それだけではない。
筋肉が膨れ、肌が黒く変色していき、
(いったい何が……?)
あまりの出来事にレオナルドはその様子を見つめていることしかできなかった。
男達が苦しみ始めたのと時を同じくして、セレナリーゼもまた自身の体に起きた変化に
まるで全身の血液が
(な、に……これ……?)
痛くて苦しくて呼吸もまともにできない。
意識が
実際にはそれほど長くはない時間だが、セレナリーゼにとっては永遠にも感じるほどの苦痛だった。
そして朦朧とする意識の中、セレナリーゼは内側から何かが膨れ上がり外へと飛び出そうとするのを感じた。
(これ……ダメだ……)
(レオ、兄さま……。に、げて……)
そこでセレナリーゼの意識は完全に
「なっ!?」
レオナルドの見ている前で男達の変化が続く中、突然男の一人が氷に
いったい何が起こったのか、次々と起こる変化に頭の
だが、魔力の見えるレオナルドはすぐに気づいた。
男を凍らせたのが魔法だということを。そしてその魔法が放たれたのは一つの布袋。そう、セレナリーゼが入れらている布袋からだった。
「セレナ……?」
レオナルドは今の魔法を知っている。ゲームでよく使った魔法に似ていたのだ。魔法名はフロストノヴァ。セレナリーゼのレベルが上がると使用できるようになる、敵を凍らせる強力な魔法だった。
(っ、まさか―――!?)
セレナリーゼの入った布袋を見れば、布袋は大きく
痛々しいセレナリーゼの状態を早くどうにかしてやりたいが、それよりもレオナルドの
目の前の男達のようにセレナリーゼまで化け物のように変化してしまうのではないか、と。なぜならセレナリーゼの漏れ出る魔力も膨れ上がっていたから。そして銀色に数
「セレナ!」
すぐにでもセレナリーゼのところに
「ギシャアアアァァァッッッ!!!!」
「っ!?」
明らかに人間とは思えない声を上げる元人間だった何か。とても理性が残っているようには見えない。レオナルドは足を動かすことができず、再び視線を人間だったものに向け、
レオナルドはその姿に
人間サイズで黒い肌。角と牙を持ち、
それはゲーム
(人間が魔物になったっていうのか!?)
目の前で起きた現実ではあるが意味がわからない。
なぜならそんなことが起こるなんてゲームでも言われていなかったからだ。
だが、今のレオナルドに考えている余裕はない。
クラントスが、セレナリーゼの方を向いたのだ。魔物の本能でセレナリーゼの魔力を感じ取り
(まずいっ!)
クラントスがセレナリーゼを見た瞬間、レオナルドはセレナリーゼに向かって走り始めた。
クラントスもレオナルドとほとんど同時にセレナリーゼ
クラントスは爪を武器とする物理
このままではセレナリーゼはクラントスに殺されてしまう。レオナルドはクラントスの爪がセレナリーゼに突き刺さっている姿を
セレナリーゼが死ぬ?そんなことあっていい訳がない。そんなことになったら自分を許せない。いったい何をやってるんだ自分は。このままじゃダメだ。守る、守るんだ。助ける。絶対に!
クラントスよりも速く、速く、速く、速く―――――。
クラントスを倒せるほど強く、強く、強く、強く――――。
レオナルドの想いがその二つに集約されていく。
その瞬間————。
レオナルドの全身から白い光が発せられた。
(間に合えーーーー!!!!)
レオナルドは自身が白い光を発していることに気づくことなくセレナリーゼの元へと駆けた。