食卓に父が座っている。
母は台所に居て気付いていない。
妹はスマホを眺めている。
俺は全員分のお茶を淹れた。
それぞれの席に、それぞれの湯飲み。
母は『珍しいわね』と言い、妹は無言でお茶を飲んだ。
自然と涙が出た。
それに気付いた父は、笑みを浮かべ姿を消した。
四十九日目の朝だった。