意味がある
そう思えたよ
手を合わせ
心で語る
月の光に
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月に照らされた花々を観ながら手を合わせる。
「どうせ行っても、うまくしゃべれないから。」と親の手伝いだけで、充実した日々だった。
それでも忘れられない彼女に花束を渡してみようと思って。
諦める日々を重ねつつも、口足らずの苦手を小脇に抱えたまま花束を見せて告白をして始まった日々。
実家から離れてすぐに新生活が始まったことには戸惑いもあったことを思い出して、一人笑う。
寺子屋のお師匠さんが語って教えてくれた村の伝統。
『橋を花束を持って渡ることでお山が応援してくれるんさ!』という話。
それを信じて花束を持って橋を渡る村人もいれば、村の外に出て嫁探しの旅をする村人もいる。
長老たちをはじめ多くの人々に見守られて、子供たちはやがて大人になるのでした。