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ドクダミの


小道を行けば


突き当り


薬師のいおり


今帰り来む


=== ----- ===


すっかり鼻が詰まって、息苦しくなってしまった。


ドクダミで治療ができるが、嫁の前でくしゃみをするのは気恥ずかしい。


薬師の庵まで行って、簡単な治療を頼むことにする。

ただの鼻詰まりだから、すぐに帰れるはず……。


ドクダミの花が咲き揃い、薬師は花を集めるのに忙しく動き回っていた。


「こんにちは。鼻が詰まったので、ドクダミの葉と塩を使うのをやりに来ました。」

と言うと、薬師は目を丸くして。


「ほだなこと、ここさ来なくても、できっぺよ!」

と言って、手を叩いて見せるが、様子を見て溜め息をついて良さそうなドクダミの葉を選び庵まで歩き出す。


「どうも嫁の前では恥ずかしくて、いけません。」

そう鼻声で言いながら、薬師の庵へ向かうのでした。

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