意外にも
覗きに来てた
嫁の影
教えてやらぬ
薬師の笑い
--- ==== ---
子供の頃していたようにドクダミを鼻に突っ込んで、畳の上に寝転がる。
薬師はドクダミの小道に人影を見て、目を丸くして「私は花を摘んでいるから寝ていなさい。」と言いおいて外へ。
竹籠を手に花を集めながら、小道の嫁に手で合図して大丈夫な事を告げて安心してもらう。
嫁は身振りで感謝を伝えて、家路につく。
「ハクション!」起き上がりながら大きなくしゃみをすると、薬師が戻ってきて新しい手拭いを渡す。
優しい笑顔で見守りながら「痛いところは無いか?」など、軽く問診をして大丈夫なことを確認する。
「ちかごろ鼻詰まりで寝苦しさを感じていたぐらいで、あとは大丈夫です。」と答えると、立ち上がりながら鼻をかむ。
「そうか、そいたらお茶を飲んでから帰りなさい。」と言いつつ、手慣れた様子で座らせて、どくだみ茶を渡すのでした。