目次
ブックマーク
応援する
2
コメント
シェア
通報

薬師

意外にも


覗きに来てた


嫁の影


教えてやらぬ


薬師の笑い


--- ==== ---


子供の頃していたようにドクダミを鼻に突っ込んで、畳の上に寝転がる。


薬師はドクダミの小道に人影を見て、目を丸くして「私は花を摘んでいるから寝ていなさい。」と言いおいて外へ。


竹籠を手に花を集めながら、小道の嫁に手で合図して大丈夫な事を告げて安心してもらう。


嫁は身振りで感謝を伝えて、家路につく。



「ハクション!」起き上がりながら大きなくしゃみをすると、薬師が戻ってきて新しい手拭いを渡す。


優しい笑顔で見守りながら「痛いところは無いか?」など、軽く問診をして大丈夫なことを確認する。


「ちかごろ鼻詰まりで寝苦しさを感じていたぐらいで、あとは大丈夫です。」と答えると、立ち上がりながら鼻をかむ。


「そうか、そいたらお茶を飲んでから帰りなさい。」と言いつつ、手慣れた様子で座らせて、どくだみ茶を渡すのでした。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?