裏庭で
「とんでもねぇ!」と
声がする
駆けより見ると
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裏庭から「とんでもねぇ!」と声がする。
何事かと駆け出して見ると、只、何も無かった。
よく見ると若い衆が一人、しゃがんで頭を抱えており、声をかけることに。
「どげんか、したんだかー?」
「あ、いや、マンズマンズありがとうございます。なんか、この裏庭に良縁のご利益があるって噂であったもんで。」
と言って、棒を使って土を掘って答える。
「は…?『良縁のご利益』って、なんね?」
驚いて聞き返すと……。
眼を真ん丸にして「あいや、俺言ってしまったんだじゃ。あいや、まいったな。」
と言うと、そっと後ずさりして「ほんだば失礼いたしました。ありがとうございます!」
若い衆は大きくお辞儀をすると、回れ右をして帰っていく。
「なんぞ、あったげな~?」と、嫁に声をかけられるも、どう言ったものか首を何度か傾げるのでした。