「足裏マッサージかー。結構歩き疲れたし、試しにやってもらおうかな」
ダイは少し戸惑いつつもそう口にする。
それに対し、リカードは面白そうに、レイは不機嫌そうに、フランツは寂しそうな表情を見せる。
いや、寂しそうというのはなんだろう?
レイの言うように、マッサージしてもらえるのは自分達の特権だと思っていたのだろうか。
「じゃあ、僕達はジョルジュさんに神殿からの伝言を伝えてきます」
寂しそうな表情からいつもの真面目な表情に切り替わったフランツがそう言う。
レイとリカードもめんどくさそうにしつつ、それに習うことにしたようだ。
結果、部屋には私とダイだけが取り残される。
「じゃあ、よろしく頼むぜ?」
ダイはベッドに座ると、両足をこちらに投げ出してくる。
私はそんなダイの足裏にそっと触れる。
想像していた通り、普段から裸足のダイの足裏は少し硬くなっていた。
「少し足裏の皮膚が硬いようだから、これを使って柔らかくしようか」
私は街で入手していたマッサージオイルを取り出す。
本当はフランツの足裏が硬くならないようにと思って買った商品なのだが、先にダイに゙使うことにした。
そのことを知られると、フランツはまた寂しそうな表情を見せるだろうか。
ふとそんな考えが頭によぎるが、頭の隅に追いやってオイルを手につける。
自分の体温で温めた後、ダイの足裏に塗っていく。
「うわ……なんか、生暖かくて気持ちいいけどエロい気持ちになるな」
「エロいって……」
ダイの感想に思わず苦笑が漏れる。
そのまま、優しく足裏にオイルを馴染ませながらマッサージしていく。
「うわ……気持ちいい。マジでヤバイな、これ」
ダイは気持ち良さそうに目を細めながら、熱くなってきたのか服をはだけさせる。
少し硬くなっていたダイの足裏だが、オイルが馴染むことで柔らかくなっていく。
レイと同じくらいの身長ではあるが、モンクということで華奢な感じもなく、フランツと同じくらいがっしりしている。
身長差がある分、フランツの足裏よりも少し大きい。
また、リカード以上に濃い褐色の肌は現代日本人の私からするとあまり馴染みのない色合いで、それだけでも物珍しさがあった。
「あ……すっげえ、気持ちいい。あいつら、いつもこんなことしてもらってんのか」
ダイは小さな声を上げながら、気持ち良さそうに身体をよじっている。
ただの足裏マッサージなのだが、よほど歩き疲れていたのか、足裏も感じるタイプなのか。
どちらにせよ、あまり気持ち良さそうにされるとこちらも興奮してしまって困ってしまうところである。