肉料理は柔らかく、肉汁たっぷりで非常に美味しい。
気の利いた食レポはできないのだが、庶民感覚で言うとハンバーグのお肉版という感じだろうか。
ナイフを入れると溢れ出る肉汁とか、全然硬くない噛みごたえとか、庶民感覚ではハンバーグのようなのだ。
もちろん、ひき肉ではなく一枚肉なので肉肉しさというか、肉を食べているという感覚はしっかりとしていた。
ただ、自分の普段食べていた肉はタレの味で食べていたような気がすると、結構硬かったりパサパサしていたので、焼き肉屋で食べる焼き肉よりもさらに何倍もグレードの高いお肉なのだと思う。
レイもリカードもダイも塊のままでかぶりつくという感じだったが、私とフランツはナイフとフォークで切り分けて食べていた。
非常に柔らかい肉なので、ナイフで簡単に切れてしまう。
また、付け合せの野菜も新鮮で非常に美味しく、一口サイズにカットされていて食べやすかった。
リカードやレイはもちろん、フランツも上品に食べながらも笑顔を見せていて満足しているようで何よりだ。
「タカヒロさん、ちょっと頼みがあるんだが」
私達が食事を取っている最中、ジョルジュさんが話しかけてくる。
「ダイのことなんだが、そっちで預かってくれねーか?」
「ダイを?」
「え? なんでだよ、ジョルジュさん!」
ジョルジュさんの突然の提案に私もダイも驚く。
「十分鍛え上げはしたんだけどな。それでも俺達とはランクがかなり違う。あんた達と一緒に行動したほうが、ダイの成長にもなると思うんだ」
「危険な任務に出向かれるということですね?」
「まあ、それもあるな」
ジョルジュさんはニヤリと笑って肯定する。
私達がジョルジュさん達に伝えた神殿で調査した結果、村でジョルジュさん達が調べた結果から判断し、魔族達の企みの一部が判明したらしい。
私達はその企みの一つとして、また村の御神体が狙われる可能性もあるので村を護衛することになっていた。
「護衛任務の場合、アコライトが複数いると安定度が増す。ダイは今はモンクだが、アコライトの魔法も使えるので役に立つだろう」
「そうですね。前衛で戦いながら回復もできるダイは即戦力になりそうです」
「当たり前だろ」
「調子に乗るんじゃねーよ」
私が同意するとすぐにダイがその言葉に乗っかり、ジョルジュさんに髪の毛をワシワシと乱暴に撫でられる。
「フランツ、レイ、リカード。みんなもそれで良いかな?」
「戦力が増えることは良いことですから、構わないですよ」
「足手まといにならないならね」
「オッケーだよ〜」
三者三様の答え方ではあるが、とりあえず全会一致らしい。
こうして、私達のパーティーは五人パーティーになった。