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第57話 モンスターペット


百億の財産を手にした宮本は、今、モンスターペット管理所に足を踏み入れていた。


周囲を見渡すと、探索者たちが次々とモンスターペットを連れて歩いており、その中にはVI級やVII級のダンジョンモンスターもちらほら見受けられた。

まるで動物園のような光景だ。


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ここで1つ説明しよう!

探索者にとって、モンスターペットをゲットする方法はいくつか存在する。


1.武力で捕獲する

これはモンスターペットの忠誠度が最も低い方法であり、通常、モンスターを支配するための強制的な装置を購入しなければならない。

モンスター商人がダンジョンモンスターを捕らえて販売することもある。


2.相性契約

最も一般的で、探索者にとって最も好まれる方法。

強制はできず、すべては運命に任せる形となる。探索者とモンスターとの特別な絆によって成り立つが、ほとんどの場合、モンスターがまだ幼い頃に捕獲する必要がある。

この方法で捕らえられたモンスターペットは、主と一生を共にすることが多い。


3.魂のリンク

最も稀で、モンスターペットの忠誠度が最も高い方法でもある。

この方法が稀である理由は、魂のリンクを結ぶためには非常に貴重な「契約の実」が必要だからだ。

この契約の実が最後に大オークションに出品されたのは3年前のことで、その際、三大ギルドの一つ、ルートギルドの現ギルド長が230億という巨額の価格で落札したという話がある。

30年にわたるダンジョン攻略の歴史の中で、数えきれない探索者たちがダンジョンに挑んだが、最終的に手に入れた契約の実はわずか数個に過ぎなかった


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「すごいな、ここ…」と、現実世界で、どこを見渡しても目を見張るようなダンジョンモンスターが跋扈する場所に宮本が突然足を踏み入れると、さすがにその光景に驚かざるを得なかった。


彼と一緒にいた絵里は、それどころか顔色まで白くなっていた。

普段はモンスターを配信でしか見たことがなかった一般人である彼女にとって、目の前にいる実物たちはまさに「本物の恐怖」そのものだった。


無意識のうちに、絵里は宮本の腕にピタッと寄り添う。

すると、自分の腕に絵里の柔らかい感触を感じて、これまで元妻以外の女性との親密な接触がほとんどなかった宮本は、ちょっとだけ顔を赤くしてしまった。

「絵里さん、ここのモンスターたちはみんな主がついてるから、安心して大丈夫ですよ?」


その反面、アリスはむしろ興奮している様子で、また眠そうにしているキュウ(小)を抱えながら嬉しそうに言った。

「私もなんだかモンスターペットが欲しくなってきましたわ。キュウさまみたいにかわいいのが!」


半分眠っているキュウは、少女が自分の名前を呼んだのを聞いて、うとうとしている中でふわふわした頭を少女の胸元にゴリゴリと擦り付けた。

同意のサインを送るように見せかけつつ、実際はその柔らかな感触に夢中になり、再び夢の世界へと落ちていった。




その時、背筋をピンと伸ばして、まるで若い貴族のような男性が宮本たちの方に歩いてきた。

彼の後ろには、爆発的な力を秘めた、黒い模様と紫色の瞳を持ち、鞭のように長い尻尾を持ち、額に雲のような模様のある虎モンスターがついてきていた。

「おやおや、TOPのアリスさまじゃないか?」


その男性は、外見こそ優れていたが、少し細長い目つきと、その傲慢な口調が不快感を与える。


花山 烈央はなやま れお…!」


アリスの表情は急に曇り、嫌悪感がにじみ出てきた。

特に、花山の背後にいるVIII級モンスター「クモドラガス紫雲虎」を見たとき、過去の嫌な記憶が蘇った。

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