「たまには帰ってきなさいよ」
散々ぱら電話で母親に言われていた|
「はぁぁぁ」
長いため息を師走の空に吐き、鍵穴に鍵を差し込み回した綾人は家の中に入った。半年ぶりに帰った家の中はまるで無人かのようにシーンと静まり返っている。
(····買い物にでも行ってんのか?)
小首を傾げながら玄関を上がり歩き慣れたリビングへの道を歩いて行った。そして入ったリビングで目にしたのは····· 切り裂かれ内蔵が食い荒らされ冷たくなった両親の姿だった。綾人が呆然としていると、背後から気配がした。振り返ると、そこには異様なほど筋肉質な体つきをし頭から角を生やした男が立っていた。