「はい、皆さま、こんいお〜!本日はアンケートの結果、スターフィッシュツリー狩り配信を行いたいと思います!本日も素敵なゲストさんがいらっしゃいます!」
「ちょこっとイタズラしちゃうゾ☆?
獄寺ちょこよ。あ〜も〜、マジでキモイんだけど。見てよ既にこのサブイボ。」
獄寺ちょこが鳥肌を美織に見せてくる。
:ちょこタンは関西の人間か?
:ありがとうございます
:玉ヒュン配信と聞いて
:触手と美少女が絡む配信にオラワクワクすっぞ!
:狩られるところを想像すると既に痛い
「ちょこさんもスターフィッシュツリー苦手なんですか?あれ近接職にはやり辛い相手ですよね……。私も普段の武器だと倒しにくいので、今日は別の武器も持ってきました。」
それを聞いたちょこが目を丸くする。
「は?え?武器?苦手って、そういう意味?あたしが言ってるのはそういうことじゃなくて……見た目の話してんのよ?」
「見た目?ちょこさん、ヒトデが苦手なんですか?変わってますね。」
「……マジで言ってる?」
獄寺ちょこが眉間に皺を寄せる。
:まさか……わかってないのか?
:スターフィッシュツリーを見たことないとか?
:いや、ヒトデだってのはわかってるみたいだ
:ウィキペディア情報しか知らないとか?
コメント欄もざわつきだす。
「あんた、スターフィッシュツリー、狩ったことないの?」
「いいえ?何度かありますよ?」
美織がニコニコと答える。
「ねえ……、ひょっとして、ひょっとしてなんだけどさ。あんた彼氏いらないっつってたじゃない?今まで1度もいたことない?」
「はい、そうですね?」
不思議なことを聞いてくるな?という表情で、美織は首をかしげる。
「……父親と風呂に入ったことある?」
「いいえ?うちのお父さん、探索者だったんですけど、物心ついた時には、常にダンジョンに潜ってて家にいませんでしたし、今はそのまま行方不明になってしまったので。1度もないですね。それがどうかしましたか?」
:まさか、見たことない……だと……
:ガタッ!!
:そんな女の子がこの世に存在すんのか!?
:チ●ポを知ってて嫌がるちょこタンと、チ●ポを知らなくてわかってない、いおりん。どっちも美味しゅうございます。
:見せてあげたい
:↑通報しますた
「なるほどね。嫌がってたぽかったのは、単純に武器との相性の悪さね。確かに刀じゃ、粘液に絡め取られたら、剥がすのムズくて、配信じゃ映えないわ。」
「そうなんです。あんまり見てて盛り上がる配信にはならないと思うんですよね……。」
美織は人差し指を立てて顎に当てつつ首を傾げた。
「なので!今日はこれを持ってきました!じゃーん!鎖鎌です!これで遠くからバンバン触手を刈り取りたいと思います!粘液を出す触手がなくなれば、後は簡単です!」
:ヒエッ
:刀で幹を攻撃すんのかと思ったら、ダイレクトに触手部分だけを刈り取るだと……?
:スターフィッシュツリー君に同情
:ガチのタマヒュン配信やないか
:誰や美少女と触手が絡む配信っつったの
:全然近寄る気がなくて草
:いや、粘液がつけばワンチャン……
美織が男性器を見たことがなく、似ていることがわかっていない件については、むしろコメント欄は盛り上がっていたのだが、美織が触手部分だけを刈り取る発言をした後のコメント欄は、絵面の恐ろしさに恐怖するコメントが相次いでいた。
「それでは早速やっていきましょう!」
美織は鎖鎌をグルグルと回すと、ブン!と放り投げて、スパスパスパッとスターフィッシュツリーの触手を一気に刈り取っていく。
:ウッ……
:いてててててて!!!
:今刈り取られた右上のやつ、俺のに似てる
:俺、右下のやつ……
:やめたげてよぉ!
:スターフィッシュツリー君……(´;ω;`)
スターフィッシュツリーは、涙を流すかのように、あちこちの触手から、ダラダラと粘液をこぼしていた。
そしてそれを一気に美織に向けて放った。
「キャッ!!……顔につけられちゃいました。武器じゃなくて良かったです。乾く前に早く取らなくちゃ……。」
美織は顔を拭いながらそう言った。
:スターフィッシュツリーよくやった!
:イエエエエエエエエエエエエエエエエイ!
:この為の待機
:ねえ、どんな臭い?
:め し が す す む
「ちょっと、早くとらないと、その粘液本体とつながってるじゃない。ひっぱられたらどうすんのよ。ほら、取ってあげるから……。」
獄寺ちょこが、美織の顔についた粘液を剥がした時だった。それが獄寺ちょこの腕について、そのまま後ろに思い切り引っ張られたかと思うと、ちょこの体がスターフィッシュツリーの触手に絡め取られてしまう。
「きゃあああああああああ!」
「ちょこさん!ああっ!あんなに触手が絡みついて……。どうしましょう、下手に攻撃するとちょこさんまで切ってしまうし……。」
:獄寺ちょこが触手に捕まったぞおおお!
:いけ……そのままいくんや……!
:いおりんも捕まえろ!
:服の中に侵入希望!
:お前はやれる男だと思ってたよ……!
美織の獄寺ちょこに対する心配をよそに、コメント欄は、疑似男性器型触手✕美少女の絵面に大盛りあがりの様相を呈していた。
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仕事の出来る男、スターフィッシュツリー君
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