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第43話 無限経験値の裏技開発?

【確定ドロップアンケート。

 1.ランダムスキルスクロール(90.9.%)

 2.ノームマーモットの声帯(9.1%)

 ランダムスキルスクロールが選択されました。】


 目の前が光り、空中に濃い赤色のスクロールが現れ、それを受け止める美織。


:ランダムスキルスクロールは赤色なのか

:スキルがわかってるスキル定着スクロールは紫色だよな

:色の濃さでレア度が決まるんだっけか

:え?かなり濃くないか?

:てことは、ランダムスキルスクロールの中でも、レアってことじゃね!?


 コメント欄が盛り上がる中、美織はランダムスキルスクロールを沙保里に差し出した。

「え?」

「使いましょう、沙保里ちゃん。」


 とニコニコしている。

「わ、私が使うんですか!?」

「はい、さっき言いましたよね?私、ドロップ以外はそんなに困っていないので。」


:マジで自分で使わんのか

:ドロップ以外困ってないって、強者の貫禄

:スキルなくても一撃必殺ないおりんが、スキル持ったらどうなるのか知りたかったけどな


「……うーん、スキルはいいものもありますけど、マイナスの場合もありますからね。剣と相性の悪いものがついたら、結構面倒かなって。その点戦い方が定まる前の新人ならともかく、決まった戦い方のある段階で使うのって、ランダムスキルスクロールは結構リスキーなんですよね。」


:そういえばそうか

:確かに弱体化のスキル持ちなんてのもいるのよな

:そう考えると今のいおりんにランダムはリスキーか


「そうですね。紫色のスキル定着スクロールが出たら、スキル次第で考えたいと思います。」


:紫色のスキル定着スクロールなんて、それこそいくらになるんだ?

:世界規模での取引だからな

:剣聖が一度出た時は何千億だかいった気がする

:エリクサーでも出れば一発で回収出来るもんな

:一流探索者なら大した金額じゃないのか

:よし、沙保里ちゃんもさっそく使ってみよう!

:そうやな、新人にこそのランダムスキルスクロールだな


 美織がランダムスキルスクロールを使わないことをガッカリする声も多かったが、沙保里が使うことを期待する声も多かった。


「どうすればいいんですか?」

「空中に放り投げればいいわよ。スクロール系は全部それだから。」

 と美織の代わりにちょこが答える。


「わ……わかりました。行きます!」

 沙保里がランダムスキルスクロールを空中に放り投げた。青色の炎をまとって、ランダムスキルスクロールが空中で燃え尽きる。


「なんて出ました?」

 鑑定の必要な生まれつきのスキルと違い、スクロールで定着させるスキルは、定着時にそのスキルが頭の中に表示されると言う。


「ぼ……暴食大帝って出ました。食べたもので経験値が得られて、また食べたものの、その能力を1部使うことが出来る……と。」


:食べただけで経験値の暴食の上位互換か

:ウサギ肉を食べると跳躍力があがるとかか?

:どの程度強化されるかやな。リアルにウサギくらい飛べても意味ないやろ。

:確かに


「食べたものの力の1部が使える……。

 ──つまりこういうことですね!」

 そう叫んだ沙保里は、いきなり、新たにわいたリポップバルーンに──齧りついた!!


:!!!!!?

:どういうことだってばよ!

:魔物の能力の1部を……そういうことか!?


「スキルが叫んでる気がします!!

 強くなりたくば……喰らえとッ!!

 私はお前の力を手に入れる!!」


:強くなりたくば喰らえッ!!

:オーガ誕生?

:うわああ!マジで魔物食っとる!

:そのまま食えるものなんか


 コメント欄はいきなりリポップバルーンを食べだした沙保里に戦々恐々としていた。

 そして……。


「力がみなぎってきます……!!これが、リポップバルーンの能力……!」

 手のひらを見つめて驚愕する沙保里の前に、新たなリポップバルーンが出現する。


「爆・煉・撃!!」

 沙保里の拳が当たった瞬間、巨大な爆発が巻き起こり、炎が広がっていく。


 一瞬で破裂し、リポップバルーンの皮膜をドロップして消え去っていく。

「よし、来い!!私は……強い!!」


 次々にリポップバルーンが現れては、沙保里の爆煉撃の餌食となる。こうなればもはや下層のフロアボスといえども、経験値を吸われドロップアイテムを落とすだけの存在だ。


 リポップバルーンのその特性から、出ては消され、出ては消されするその様子に、切り抜き師が某ゲームのコインを連続で出して、残機数をほぼ無限アップする裏技の際の音をはめて、拡散を開始していた。


:これ、経験値1.5倍以上なんだろ?

:爆発に加えて打撃だから多分そう

:マジで200どころか300いくんじゃね?

:新たな霊長類最強女子誕生の瞬間


 狂気的に拳を振るう沙保里を、驚愕しながら見つめるちょこと、ニコニコしながら見つめる美織の姿がそこにはあった。


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アンケートはアルファポリスとの合算です。

昨日体調悪くて早退してからずっと寝てて、今日の分昼休みと退社後に書きました汗

遅くなってすみません。


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