【確定ドロップアンケート。
1.ランダムスキルスクロール(90.9.%)
2.ノームマーモットの声帯(9.1%)
ランダムスキルスクロールが選択されました。】
目の前が光り、空中に濃い赤色のスクロールが現れ、それを受け止める美織。
:ランダムスキルスクロールは赤色なのか
:スキルがわかってるスキル定着スクロールは紫色だよな
:色の濃さでレア度が決まるんだっけか
:え?かなり濃くないか?
:てことは、ランダムスキルスクロールの中でも、レアってことじゃね!?
コメント欄が盛り上がる中、美織はランダムスキルスクロールを沙保里に差し出した。
「え?」
「使いましょう、沙保里ちゃん。」
とニコニコしている。
「わ、私が使うんですか!?」
「はい、さっき言いましたよね?私、ドロップ以外はそんなに困っていないので。」
:マジで自分で使わんのか
:ドロップ以外困ってないって、強者の貫禄
:スキルなくても一撃必殺ないおりんが、スキル持ったらどうなるのか知りたかったけどな
「……うーん、スキルはいいものもありますけど、マイナスの場合もありますからね。剣と相性の悪いものがついたら、結構面倒かなって。その点戦い方が定まる前の新人ならともかく、決まった戦い方のある段階で使うのって、ランダムスキルスクロールは結構リスキーなんですよね。」
:そういえばそうか
:確かに弱体化のスキル持ちなんてのもいるのよな
:そう考えると今のいおりんにランダムはリスキーか
「そうですね。紫色のスキル定着スクロールが出たら、スキル次第で考えたいと思います。」
:紫色のスキル定着スクロールなんて、それこそいくらになるんだ?
:世界規模での取引だからな
:剣聖が一度出た時は何千億だかいった気がする
:エリクサーでも出れば一発で回収出来るもんな
:一流探索者なら大した金額じゃないのか
:よし、沙保里ちゃんもさっそく使ってみよう!
:そうやな、新人にこそのランダムスキルスクロールだな
美織がランダムスキルスクロールを使わないことをガッカリする声も多かったが、沙保里が使うことを期待する声も多かった。
「どうすればいいんですか?」
「空中に放り投げればいいわよ。スクロール系は全部それだから。」
と美織の代わりにちょこが答える。
「わ……わかりました。行きます!」
沙保里がランダムスキルスクロールを空中に放り投げた。青色の炎をまとって、ランダムスキルスクロールが空中で燃え尽きる。
「なんて出ました?」
鑑定の必要な生まれつきのスキルと違い、スクロールで定着させるスキルは、定着時にそのスキルが頭の中に表示されると言う。
「ぼ……暴食大帝って出ました。食べたもので経験値が得られて、また食べたものの、その能力を1部使うことが出来る……と。」
:食べただけで経験値の暴食の上位互換か
:ウサギ肉を食べると跳躍力があがるとかか?
:どの程度強化されるかやな。リアルにウサギくらい飛べても意味ないやろ。
:確かに
「食べたものの力の1部が使える……。
──つまりこういうことですね!」
そう叫んだ沙保里は、いきなり、新たにわいたリポップバルーンに──齧りついた!!
:!!!!!?
:どういうことだってばよ!
:魔物の能力の1部を……そういうことか!?
「スキルが叫んでる気がします!!
強くなりたくば……喰らえとッ!!
私はお前の力を手に入れる!!」
:強くなりたくば喰らえッ!!
:オーガ誕生?
:うわああ!マジで魔物食っとる!
:そのまま食えるものなんか
コメント欄はいきなりリポップバルーンを食べだした沙保里に戦々恐々としていた。
そして……。
「力がみなぎってきます……!!これが、リポップバルーンの能力……!」
手のひらを見つめて驚愕する沙保里の前に、新たなリポップバルーンが出現する。
「爆・煉・撃!!」
沙保里の拳が当たった瞬間、巨大な爆発が巻き起こり、炎が広がっていく。
一瞬で破裂し、リポップバルーンの皮膜をドロップして消え去っていく。
「よし、来い!!私は……強い!!」
次々にリポップバルーンが現れては、沙保里の爆煉撃の餌食となる。こうなればもはや下層のフロアボスといえども、経験値を吸われドロップアイテムを落とすだけの存在だ。
リポップバルーンのその特性から、出ては消され、出ては消されするその様子に、切り抜き師が某ゲームのコインを連続で出して、残機数をほぼ無限アップする裏技の際の音をはめて、拡散を開始していた。
:これ、経験値1.5倍以上なんだろ?
:爆発に加えて打撃だから多分そう
:マジで200どころか300いくんじゃね?
:新たな霊長類最強女子誕生の瞬間
狂気的に拳を振るう沙保里を、驚愕しながら見つめるちょこと、ニコニコしながら見つめる美織の姿がそこにはあった。
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アンケートはアルファポリスとの合算です。
昨日体調悪くて早退してからずっと寝てて、今日の分昼休みと退社後に書きました汗
遅くなってすみません。
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