目次
ブックマーク
応援する
1
コメント
シェア
通報

第44話 美織のレベルは

:可愛いのに絵面が酷いw

:殺戮の天使が暴食の魔人になったwww

:これ、このまま深層までいけちまうんじゃね!?

:現役中学生で深層行ったら世界初じゃね!?

:日本初な。海外は発展途上国とアメリカほど低年齢でダンジョン潜ってる

:日本はダンジョン後進国だからな、中学生が深層潜れるようになるのはだいぶ先だろ

:少なくとも中学生最強は間違いない

:見捨てて殺しかけたこともバレた挙げ句、沙保里ちゃんに抜けられることも確定して、オールダンパー涙目w


「うーん、たぶん無理だと思いますね。ちょっとレベル上げたくらいで深層は。」

 と美織があっさりリスナーの期待を折るようなことを言う。


「深層はレベル2000からが推奨ですし、リポップバルーンの火力が深層の魔物に通じません。下層の魔物だから食べられただけであって、深層の魔物を食べて力をもらうっていうのも、今はまだ無理だと思います。」


:そうか……深層から一気にバケモンクラスの人外の領域だもんな

:さらっと深層一撃出来るいおりんのレベルが2000以上だって暴露してるな


「ダンジョンがいくら自己責任って言ったって、レベルの足りてない人間を連れて行く気はしないわね、あたしも。」

 と獄寺ちょこも言う。


:よく考えたら深層一撃なんだから、レベル2000オーバーってそりゃそうか

:結局のところ、いおりんのレベルっていくつなん?


「私ですか?6300までは数えてましたけど、もう面倒臭くてやめちゃいましたね。」

 美織がくったくなく笑う。


:ファ!?

:6300!?

:マ!?

:アメリカのNO.1のメイソン・オーシャンの公式発表がこないだ4700だったぞ!?

:待て、日本最強どころか世界最強!?

:そんなにだったのか!?

:ドロップ以外は困ってないがマジだった


「まさかあ、私が1番なわけありませんよ。きっとアメリカの方は、狙われないように正確なレベルを公表してらっしゃらないだけなんじゃないですか?世界一ともなれば、それこそ世界一の座を狙って挑んでくる、色んな変な人とかいそうじゃないですか〜。」


:それは確かにいそう

:フラグかな?

:今度測定配信しよう


「あ、それいいですね。私の感覚で何レベルって言ってるだけで、正確に測定したわけじゃありませんし。測定配信してらっしゃるダンチューバーや、ダンVtuberの方もたくさんいらっしゃいますものね。ちょこさんも沙保里さんも一緒にやりませんか?今日の成果を公表するいい機会ですし。」


「あ、あたしもぉ!?まあいけどさ。」

「はい……!やりたいです!」

「……そろそろレベルが上がりにくくなってきましたね。このへんにしましょうか。」


「あ、そうなんですか?わかりました!」

 沙保里がハアハアしながらそううなずく。

「だからなんでそれがわかるのよ……。」


「あ、帰るのに邪魔なんで、リポップバルーンの出現止めておきますね。」

 美織がそう言って、岩の1つをグイ、と押すと、ガコン、とスイッチのように沈んでいく。そして本当に出現がなくなった。


:え!!!?

:どゆこと!?

:それリポップバルーン停止スイッチ!?


「そうみたいですね。1度押すとしばらく出なくなりますけど、岩自体がもとの状態に戻るのに1時間以上かかるので、次に入った人はそれまで止められないですね。」


:とんでもない秘匿情報やん

:撤退時に1人は死ぬと言われた下層のフロアボスの攻略方法のひとつじゃん

:これ無料で流していいんか

:各ギルドで秘匿してそうよな


「上に戻るついでに、他の魔物も食べて、能力をもらっておきましょうか!ホップホッパーなんていいと思います!」


 世間が知らない情報を配信に乗せたとリスナーたちは騒いでいたが、美織は深層に潜れる探索者ならたぶん全員しってるよね?と気にもしていなかった。


「跳躍力が凄い魔物ですね!確かに暴食大帝と相性がいいと思います!」

 沙保里がキラキラした目で拳を握る。

「……あ、でも、私追いつけないです。」


「あれは上層の魔物だから、当たれば一撃だけど、逃げられまくって当てるのも捕まえるのも大変じゃない……。」

 獄寺ちょこが何かを思い出したように、うんざりしたように言う。


「そこはちょこさんにお任せですよ。」

「ハア!?あたしぃ!?」

 予想外の方向から自分の活躍ターンが回ってきたことに驚愕する獄寺ちょこ。


「ちょこさん、ホップホッパーのスピードに追いつけますよね?私、倒すことは出来ますけど、沙保里ちゃんが食べられるように、捕獲するのはちょっと無理なので……。」


「待って、倒すのは出来て、捕まえられないって何?攻撃当てられるのなら、攻撃の代わりに掴めばいいだけじゃない。」


「だって、触れただけで潰しちゃうんですもん……素手でも……。試したことがあるんです、捕獲ならドロップするのかどうか。」


:ホップホッパーは上層でも車くらいの硬度はあるんだぞw

:飛ぶ鋼鉄ことホップホッパーさん

:それを素手で潰したwww

:6300なら上層程度武器いらんわな

:6300が現実的になってきた


 上層に戻りながらブツブツ言っていた獄寺ちょこだったが、お願いします!と美織からお願いポーズ&ウルウル上目遣いをされたことで、しょ、しょうがないわね!と、へとへとになるまでホップホッパーを追いかけることになるのだった。


────────────────────


この作品は読者参加型です。

アンケートが出たらコメントお願いします!


X(旧Twitter)始めてみました。

よろしければアカウントフォローお願いします。

@YinYang2145675


少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。

ランキングには反映しませんが、作者のモチベーションが上がります。



この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?