【確定ドロップアンケート。
1.ユニコーンの角(50.0%)
2.スキル定着スクロール(50.0%)
ユニコーンの角と、スキル定着スクロールが選択されました。】
と表示されるとともに、ユニコーンの角と濃い紫色のスクロールが空中に現れ、美織はそれを受け止めた。
:また50:50www
:濃くないか!?レアなやつだ!
:うおおおお!どんなスキルか楽しみ!
:今度こそいおりんが使えるやつだといいな
「スキル定着スクロール……。3度目ですね。今度は私も使えるやつでしょうか?」
と首を傾げる美織。
:あれ、でもちゃんとちょこタンにも集まってね?ユニコーン
:ちょこタンまさかの乙女だった?
:うせやろwww
:ギャルなのに乙女www
ちょこれい党民エヴァ男:ちょこタンは昔から可愛い女の子です
「あーもー!これがあるから鬱陶しいのよね、配信でのユニコーン狩りは!」
あ、と、も、に、濁点がついているかのような発音で、半ばヤケ気味にユニコーンを倒す獄寺ちょこ。
だがレア素材であるユニコーンの角はドロップしなかった。
「きゃああああ!ちょっと!なんなの!?」
「ちょこさん!?」
そこに大量に集まってくるユニコーンたちによって、埋もれて見えなくなる獄寺ちょこ。そのままエッホエッホとユニコーンたちによって連れ去られそうになったところを、爆弾によって一気に一層し、事なきをえた。
:ユニコーンに大人気www
:まごうことなき乙女www
:まさかのいおりんより人気とかw
「ハアハア……。ひどい目にあったわ。」
仮にも深層にも出ることのある下層の魔物から一斉に襲われて、単に懐かれてるだけというわけでは済む筈もなく。
ユニコーンのオスは、乙女を見るとなつきもするが、さらって巣に持ち帰ろうともする魔物である。危うく連れ去られるところだった獄寺ちょこは、大量爆死により、追加でユニコーンの角を手に入れた。
「それで?なんのスキル定着スクロールだったの?」
ユニコーンのわきが一段落した頃、獄寺ちょこが尋ねてくる。
「<課金ビーム>?だそうです。聞いたことのないスキルですね……。」
「ビーム?それ自体は強そうだけど……。発生させるのにお金がいるってこと?それともビームを使うとお金を生み出すってこと?」
獄寺ちょこも首を傾げる。
「とりあえず、私の戦闘スタイルの邪魔はしなそうですから、今回は自分で使ってみたいと思います。」
そう言って、美織は濃い紫のスクロールを空中に放り投げた。美織の全身を紫の光が覆い、美織は自分の両手のひらを見つめていた。
「なんて出た?」
「金額に応じて威力の変わるビーム、と……。お金が威力に変わるみたいですけど、どうやってお金を威力に変換したらいいのかわからないですね……。」
美織は財布を取り出して、試しに千円札を財布から抜き出したが、それを入れるような場所が空中に現れるわけでもない。
「どうやって使うんでしょうか、これ……。」
困惑したように美織が言った。
:レアなスキルぽいのにな
:取扱説明書がないのがまた
:知られてないユニークスキルは、こういうこともままある
:実際スキルステータスの説明欄に書かれてることなんて微々たるもんだからな
:使ってくうちにレベルが上がって、知られざる能力が開放されるなんてのもあるある
そこへ、
:100万人おめでとう!
と赤スパが届いた。美織のチャンネルは配信の最中に100万人を達成していた。
100万人へのカウントダウン配信を予定していただけに、あっさり到達しちゃったな、と内心思っていた美織だった。
:お、収益化通ったのか!
:試しに赤スパしてみたニキのおかげで気付いたで!
:少しだけど
:おめでとう!
:これからもファンです!
「え?え?ええええええ!?」
スパチャが出来るとわかった途端、怒涛の赤スパラッシュが始まった。
「待って!待って!そんなにたくさんだいじょうぶですからぁ!」
と大慌ての美織。
:初めて赤スパで殴られる子からしか得られない栄養がある
:たくさんお食べ
赤スパで埋め尽くされるコメント欄。そして美織はその違和感に気が付いた。
「な、なに……これ……。」
目の前で上がっていくエネルギーゲージのようなもの。それはスパチャが投げられるたびに高さをましていくようだった。
その時、地面が大きく動いた。山が、動いている。そしてそれは大きな人型へと変化をし、ゆっくりと立ち上がった。
「ダイダラボッチ……!?」
下層に現れるような魔物ではない。深層のボス部屋にいる魔物だ。大き過ぎるからか、ゆっくりとこちらへ向かって来る。
:イレギュラーだ!!
:逃げろいおりん!
美織はこちらに向かうダイダラボッチと、エネルギーゲージを見比べた。
「……ちょうどいいです。試すには。ちょこさん、人間がビームを放つとしたら、どこからでしょう?」
「え?そりゃ……、目か、手か、口……?」
「1番ダメージなさそうなのは手ですね、わかりました。」
美織は人差し指をダイダラボッチへと向けた。
「どの程度のものか、あなたで試させてもらいます!赤スパビーム!!」
美織の指先から赤い光が放たれたかと思うと、いくつもの輪の中をくぐり抜けるビームとなって、ダイダラボッチを貫通した。その一撃で倒され、霧散するダイダラボッチ。
:赤スパビーム!?
:課金って、俺らの課金!?
:赤スパで殴る(物理)www
ダイダラボッチの消えた配信画面には、
【確定ドロップアンケート。
1.身隠しの衣(3.6%)
2.ダイダラボッチの天秤(5.5%)】
と表示されたのだった。
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アンケート結果はアルファポリスとカクヨムの合同です。
ギリギリ50:50になったので展開を修正しました。
ネオページでもコメント欄で参加可能です。
この作品は読者参加型です。
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