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第100話 100万人達成

【確定ドロップアンケート。

 1.ユニコーンの角(50.0%)

 2.スキル定着スクロール(50.0%)

 ユニコーンの角と、スキル定着スクロールが選択されました。】


 と表示されるとともに、ユニコーンの角と濃い紫色のスクロールが空中に現れ、美織はそれを受け止めた。


:また50:50www

:濃くないか!?レアなやつだ!

:うおおおお!どんなスキルか楽しみ!

:今度こそいおりんが使えるやつだといいな


「スキル定着スクロール……。3度目ですね。今度は私も使えるやつでしょうか?」

 と首を傾げる美織。


:あれ、でもちゃんとちょこタンにも集まってね?ユニコーン

:ちょこタンまさかの乙女だった?

:うせやろwww

:ギャルなのに乙女www

ちょこれい党民エヴァ男:ちょこタンは昔から可愛い女の子です


「あーもー!これがあるから鬱陶しいのよね、配信でのユニコーン狩りは!」

 あ、と、も、に、濁点がついているかのような発音で、半ばヤケ気味にユニコーンを倒す獄寺ちょこ。


 だがレア素材であるユニコーンの角はドロップしなかった。

「きゃああああ!ちょっと!なんなの!?」

「ちょこさん!?」


 そこに大量に集まってくるユニコーンたちによって、埋もれて見えなくなる獄寺ちょこ。そのままエッホエッホとユニコーンたちによって連れ去られそうになったところを、爆弾によって一気に一層し、事なきをえた。


:ユニコーンに大人気www

:まごうことなき乙女www

:まさかのいおりんより人気とかw


「ハアハア……。ひどい目にあったわ。」

 仮にも深層にも出ることのある下層の魔物から一斉に襲われて、単に懐かれてるだけというわけでは済む筈もなく。


 ユニコーンのオスは、乙女を見るとなつきもするが、さらって巣に持ち帰ろうともする魔物である。危うく連れ去られるところだった獄寺ちょこは、大量爆死により、追加でユニコーンの角を手に入れた。


「それで?なんのスキル定着スクロールだったの?」

 ユニコーンのわきが一段落した頃、獄寺ちょこが尋ねてくる。


「<課金ビーム>?だそうです。聞いたことのないスキルですね……。」

「ビーム?それ自体は強そうだけど……。発生させるのにお金がいるってこと?それともビームを使うとお金を生み出すってこと?」


 獄寺ちょこも首を傾げる。

「とりあえず、私の戦闘スタイルの邪魔はしなそうですから、今回は自分で使ってみたいと思います。」


 そう言って、美織は濃い紫のスクロールを空中に放り投げた。美織の全身を紫の光が覆い、美織は自分の両手のひらを見つめていた。


「なんて出た?」

「金額に応じて威力の変わるビーム、と……。お金が威力に変わるみたいですけど、どうやってお金を威力に変換したらいいのかわからないですね……。」


 美織は財布を取り出して、試しに千円札を財布から抜き出したが、それを入れるような場所が空中に現れるわけでもない。


「どうやって使うんでしょうか、これ……。」

 困惑したように美織が言った。


:レアなスキルぽいのにな

:取扱説明書がないのがまた

:知られてないユニークスキルは、こういうこともままある

:実際スキルステータスの説明欄に書かれてることなんて微々たるもんだからな

:使ってくうちにレベルが上がって、知られざる能力が開放されるなんてのもあるある


 そこへ、


:100万人おめでとう!


 と赤スパが届いた。美織のチャンネルは配信の最中に100万人を達成していた。


 100万人へのカウントダウン配信を予定していただけに、あっさり到達しちゃったな、と内心思っていた美織だった。


:お、収益化通ったのか!

:試しに赤スパしてみたニキのおかげで気付いたで!


:少しだけど


:おめでとう!


:これからもファンです!


「え?え?ええええええ!?」

 スパチャが出来るとわかった途端、怒涛の赤スパラッシュが始まった。


「待って!待って!そんなにたくさんだいじょうぶですからぁ!」

 と大慌ての美織。


:初めて赤スパで殴られる子からしか得られない栄養がある

:たくさんお食べ


 赤スパで埋め尽くされるコメント欄。そして美織はその違和感に気が付いた。


「な、なに……これ……。」

 目の前で上がっていくエネルギーゲージのようなもの。それはスパチャが投げられるたびに高さをましていくようだった。


 その時、地面が大きく動いた。山が、動いている。そしてそれは大きな人型へと変化をし、ゆっくりと立ち上がった。


「ダイダラボッチ……!?」

 下層に現れるような魔物ではない。深層のボス部屋にいる魔物だ。大き過ぎるからか、ゆっくりとこちらへ向かって来る。


:イレギュラーだ!!

:逃げろいおりん!


 美織はこちらに向かうダイダラボッチと、エネルギーゲージを見比べた。

「……ちょうどいいです。試すには。ちょこさん、人間がビームを放つとしたら、どこからでしょう?」


「え?そりゃ……、目か、手か、口……?」

「1番ダメージなさそうなのは手ですね、わかりました。」


 美織は人差し指をダイダラボッチへと向けた。

「どの程度のものか、あなたで試させてもらいます!赤スパビーム!!」


 美織の指先から赤い光が放たれたかと思うと、いくつもの輪の中をくぐり抜けるビームとなって、ダイダラボッチを貫通した。その一撃で倒され、霧散するダイダラボッチ。


:赤スパビーム!?

:課金って、俺らの課金!?

:赤スパで殴る(物理)www


 ダイダラボッチの消えた配信画面には、


【確定ドロップアンケート。

 1.身隠しの衣(3.6%)

 2.ダイダラボッチの天秤(5.5%)】


 と表示されたのだった。


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アンケート結果はアルファポリスとカクヨムの合同です。

ギリギリ50:50になったので展開を修正しました。

ネオページでもコメント欄で参加可能です。


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