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第145話 ウォールハック

「こんいお〜!剣呑寺いおりです!」

「ちょこっとイタズラしちゃうゾ☆?

 獄寺ちょこよ。」


:きちゃあああああああ

:いおりんと配信外デートしたことでウッキウキのちょこタン

:SNSでリリーシェ・ベルマインの限定グッズゲットしたことより、いおりんとボウリングデートしたことのほうを嬉しそうに報告してて草


「う、うるさいわね!いーでしょ、はじめてだったんだから!」

「楽しかったですね〜、ちょこさん。今度また買い物も行くんですよね。」

「ま、まあね……。」


:見たかった

:配信してくれよ〜

:そういうのも見たい


「配信だとどうしても撮れ高気にしてしまうので、ゆっくり遊びたかったんですよね。」

「いちいち、からかってくるあんたらには、見せてあげないよ〜だ。」


:まあイチャイチャのお裾分けはあったので許そう

:今日はなにすんの?


「はい!今日は撮影用ドローンが新仕様になったので、そのお披露目配信になります!

 なんと、ドローンがダンジョンの壁をすり抜けられるようになったんですよ!」


:ふぁ!?

:壁をすり抜け……る?

:そんな魔改造聞いたことねーぞ!?


「ドローンを寒冷地仕様に改造する過程で、この間のダンジョンゴーレムの核を使用したんですが、副産物ですり抜けられるようになったみたいです。」


:ああ、ダンジョンゴーレムって、ダンジョンの壁から出て来たゴーレムか

:確かにあいつのドロップアイテムなら、ダンジョンの壁くらいすり抜けられそうだな


「それと、私のスピードにも追いつけるようになったみたいで、これからは直接下の階層に移動する際に、ドローンが追いつくのを待って配信しなくてもよくなりました!」


:確かに、いっつもいおりんのスピードに追いつけなくて、後から追いついて来てたもんな

:それでも画面揺れひどいけどなw


「それとですね、ドローンとゴーレムが、私の能力を、劣化版ですが使えるようになったみたいです。ドローンはゴーレムの更に劣化版ではあるんですけどね。」


:はあああ!?

:いおりんの劣化版……?

:それってどの程度のナーフよ?


「それを試す為の配信ですね。私のスピードに追いつけるようになったのも、私の身体能力をコピー出来たから、が理由らしいです。ゴーレムとドローンがどの程度の力なのか、この配信で試したいと思います!」


:楽しみ

:それは気になるな

:劣化版とはいえ、並の探索者よりは強い可能性大


「それでは早速深層に行ってみましょう!せめて深層くらい狩れる力がないと、戦力に数えられませんし!」

 美織はニコニコしながら言った。


:なんかえらく初っ端からハードル上げられとるw

:深層くらいって、まず深層をソロで狩れる人間が一握りなのよ

:しかも高校生でそれ出来るって、世界レベルでも上澄みだってこと忘れてらっしゃるw


「それではまず、配信テストです!いっきまっすよぉ〜?よーい、ドン!」

 掛け声とともに走り出す美織。獄寺ちょことドローンがそれについて行く。


:おおおおお!マジで画面揺れん!

:いおりんにピタッとついていっとる!

:これ欲しい配信者多いだろwww

:ここまでのスピードで走れる奴は少ないけど、ちょこタンみたく移動速度強化持ってる奴らは確実に欲しいだろうな


 そして下層から深層につながる壁を、ドローンがすり抜けた時だった。

 配信画面に、壁の幅にしてはおかしな空間が配信画面に現れる。


 しかもそこには巨大な魔法陣が敷かれ、その上に立方体の青い謎の◆型の物体が空中に浮かび、ゆっくりと回転をしていたのだ。


:いおりん、ちょっと待った!壁の中に変なものがある!

:ひょっとしてウォールハック出来んじゃねえかと思ってたけど、壁の中を映してる!?

:なんだ今の!?


 コメント欄は、謎の物体についての指摘で盛り上がっている。美織も首をかしげて、何度か下層と深層の間をいったりきたりしてみた。すぐに美織について来てしまうので、一瞬しか映像には映らないのだが、明らかに何か物体があることがわかった。


 リスナーがスクショをSNSに上げたリンクをコメント欄に貼ってくれた為、配信上でそれを開いてみると、

「なんですか、これ……。」


 壁の幅には明らかにあっていない広い空間がそこにはあり、ひとつの部屋のようになった場所に、魔法陣が敷かれ、立方体の青い謎の◆型の物体がそこには写っていた。


「ビビッド、これ何かわかりますか?」

「吾輩わからないのです!」

「ドロップアイテムじゃないもんね。」

 ビビッドの言葉にちょこがうなずく。


「ですが、これだけはわかります!魔物と、魔物のドロップするアイテムと、同じ魔力をこの壁の中から一瞬感じるのですな!」

 とビビッドはドヤ顔で言った。


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