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第149話 やせいの●●があらわれた

「こんいお〜!はい、というわけで今日のゲストは、SNSサイトで予告してました通り、私のお父さんです!お父さんが今まで作った変わった魔道具や武器を紹介していきますよ!助手はちょこさんです!」


「ちょこっとイタズラしちゃうゾ☆?

 獄寺ちょこよ。」

「──え?これ、お父さんも、なんか変わった挨拶しないとな流れ?」


 配信に出ることを了承はしたものの、挨拶の仕方までは聞いていなかった依織が困惑している。


「しない人もいるから問題ないよ?」

 と、美織が普段使わないタメ語で話すと、


:敬語じゃないいおりん新鮮

:お父さんにはこんな感じなんだなw

:お父さん見ってる〜?

:家族が出るのリアル妹ちゃん以来だなw


 コメント欄にも好評のようである。

「まあ、普段はこういう感じだね。家族以外だと、ほら、あの子、配信用のドローンを改造してくれた人の妹さん。彼女にだけはいつもタメ口だよね?」


 依織が、市川奈央の名前を出さないようにしながら、彼女のことを説明しようとする。

「ああ、あの子は付き合いも長いから……。」


 と美織が言うと、獄寺ちょこが突然、プク顔で眉をつり上げだした。

「聞いてないんだけど。」

「どうしたんですか?ちょこさん。」


「それ!なんであたしにはいつまでも敬語なのに、そのなんだか言う女にはタメ口なのよ。おかしくない?」


「ちょこさんとはまだ知り合ったばかりですし、タメ口はまだ早いかなって……。」

「タメ口で話してくれないなら、もう口きかないから。」


「ええ……。」

「この子は敬語が取れるのに時間のかかる子だからね。」

 と、フォローするように依織が苦笑しつつ言う。


「な、慣れるように頑張りますから、呆れないで下さい、ちょこさん。」

 美織も眉を下げて困ったように言う。


「努力するわね?」

「はい、もちろんです。」

「……なら、今のところは見逃してあげるけど、そのうちちゃんと改めてよね!」


 ふん!と腕組みしながらソッポを向く獄寺ちょこに、依織は、ははは、と笑いながら、

「なんだかうちの娘は奥さんの尻に敷かれる旦那みたいだねえ……。」


 と言った。

「そ、そんなんじゃないし!」

 と真っ赤になりながら慌てるちょこに、


「私ちょこさんなら、お嫁さんにもらってもいいですよ?素敵だなと思います。」

 とシレッと言う美織。


「なっ、ななななな、何言ってんのよ!お、お嫁さんとか、そんなの……!」

 再び真っ赤になり、焦ってしまうちょこ。


:ちょこタンはいおりんの嫁定期

:てえてえ

:お父さん、この2人いっつもイチャイチャしてます

:いおりんはお婿さんでなく、お嫁さんを迎えるかも知れんのう


「はは……、ま、まあ、多様性の時代だしね?」

 と依織は苦笑するしかないのであった。


「き、気を取りなおして!

 今日はいおりのお父さんのアイテムや武器を見ていくのよね?」


「はい。お父さん、しばらく出かけてた間に、色んなアイテム作ってたみたいで。それをお披露目したいと思います!」


「なにせ閉じ込められてて暇だったからね!これくらいしか楽しみがなくてな。」

 依織は特に気にした風もなく笑う。


:閉じ込められてた?

:遠洋漁業にでも行ってたんか

:雪山で遭難したとか?

:ブラック企業かも

:謎が深まる 


 “異界の門”が現状公言出来ない関係で、なんとなく濁すしかない。探索者であることまで話すと、なんとなく推測されそうだと思った依織が、今回はそこも内緒にしとこうと美織に話したのだった。


「まずはこれだな!捕まえた魔物を玉に閉じ込めて、その能力を引き出せる剣だ。玉を入れ替えて使えるぞ!ただ、ちょっと失敗しちまってなあ……。」


 依織が一振りの剣を取り出した。玉を装着出来るように、持ち手の上の部分が丸く凹んだ仕様になっている。


:YAI●Aみたいなもんか

:入れ替えて能力変えられるのは便利だな

:どの辺が失敗なんだ?


「玉に魔物を込める際なんだが、魔物に玉を投げて当たったら収納出来る仕組みでな。ただ、なんかこう……、入れるといっぱいいっぱいになっちまってなあ。ほら、これ。」


:ポ●モンかな?w

:ゲットだぜ!

:何がマズイんだ?


 と、依織が差し出してきた玉を見ると、中に何かの人型の魔物が、みっちみちに詰められて、苦しそうにしているのが見えた。


「スゥィー●ホーム」

 と鳴いているように聞こえる。


:ちょwwwなんで野生の杉田www

:スギモンゲットだぜ!

:なんで銀●イベントの時の杉●智和みたくなってんだwww


「中に入れたら小さくなる予定だったのに、なんでか毎回こんな風になっちゃってなあ。大失敗だよ。」


:いやwこれはこれで成功と言えるw

:玉をセットしたらファミコン見ないで当てられそうw

:それを失敗って言うんやでw


 なぜか大ウケしているコメント欄に首を傾げながら、美織は他の道具類も紹介して行くのだった。


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