:なんかのゲームのアイテムみたいだな
:これがあれば農業革命が起きる
:食料時給問題が解決しそうだよな
:紛争地域に持ち込んだら、戦争が長期化しそうだな。食料を持ち込むルートを潰すのはセオリーなのに。
:その土地にあった植物が、必ずしも実をつけるとは限らんだろ
:蒔いてみるまでわからんのじゃなあ……
:J●は●Aから買った種じゃないと流通にのせないんじゃなかったか?なら独自の販売ルートがなけりゃ、実が取れたとしても売れないし意味ないだろ
:今の時代通販というものがだな……
:種から一瞬で植物が生えてくるって、もうそれファンタジーの産物だろw
“瞬間発芽植物の種”の用途に、コメント欄が一番盛り上がっている。何ができるかわからない種、というジョークグッズとして、プレゼントする分には売れそうである。
「続いては、じゃーん、これ!“鑑定眼鏡”だよ!」
そう言って、依織はメガネを取り出した。
「それは?」
「この“鑑定眼鏡”を使うと、ある程度対象の詳細がわかるんだ。」
尋ねてきた美織に渡して着けさせながら依織が言う。
:え、めっちゃ便利やんけ
:それさえあれば鑑定スキルもいらんな
:普通に売れそう。稼げそう。
「使い方はどうするんですか?」
「つるのつなぎ目を押すんだよ。」
美織は言われるがままにつるのつなぎ目を押して、獄寺ちょこを見てみた。
「お父さん……これって……。スリーサイズと身長と体重と弱点しかわからないじゃないですか!」
「!?」
そう言われた獄寺ちょこが、バッと両手で覆うように体を隠した。
「え?駄目?結構頑張ったんだけどなあ。指定された毛皮の納品とかに使えるんだよ?」
残念そうに言いながら首を傾げる依織。
「ああ……、まあ確かに魔物なら……。」
:人間用とは言ってないもんなw
:ちょこタンのスリーサイズ知りたい
:体重だけでも
:ちょこタンの弱点……ゴクリ
「ちょこさんの弱点ですか?それはですね、」
「あー!!シーッ!!シーッ!!」
うかうかと話そうとする美織の口を、獄寺ちょこが両手で塞いで黙らせた。
「ならこれはどうかな?お母さんは喜んでくれたんだけど。」
そう言って依織が取り出したのは、また別の先程よりも大きな箱のようなものだった。
「これは?」
美織が尋ねると、依織は得意げに答える。
「“転送小箱”と言ってね。その名の通り、別の小箱のある地点に、内容物を瞬間移動させることが出来るんだ!」
「お母さんが喜んだって?」
「お父さんが出張中でも、お母さんのお弁当が届けられたりするんだよ!」
と依織がドヤる。
:近未来的!
:ラブラブかよwww
:もう何でもアリだなw
:何気にすごくないか?
:物質を瞬間移動させるとかできんのか?
:技術屋ってこんなのも作れるんだな……
:おい待て……でっかく出来たらどこでも●アが作れるんじゃないか?
:少なくとも現時点でも、●こでも窓くらいのことは出来るんじゃね?
「うーん、それなんだけどねえ……。今のところこのサイズより大きくは出来ないんだよね。それに相手側にもこの箱が必要だから、好きな場所に出せないしね。それと生物が無理だね。無機物オンリー。」
:さすがに無理か
:いや、22世紀を前に可能性は見えたと言ってもいいと思う
:ワームホール的なものじゃなく?
:FAXした先に3Dプリンタが設置されているようなものじゃないか?
:3Dプリンタ肉とか作ろうとしてるくらいだしな
:既に似たようなものがあるわけか
:通信回線が必要じゃないところだけが利点というわけか
「ちなみに変身指輪の応用で、こんなのも作ってみたんだよ。柄を読み込ませたら爪を変えられるってアイテム。これは完全に商売を見越して作ってみたんだけどね?」
と差し出されたのは、水晶のようなものがついたネジだった。
「ネジを取り付けられる指輪やストラップも作ったんだよ。こうすれば持ち歩きも簡単。試しに使ってみてよ。」
そう言われて、教わった通りに水晶に柄を映そうとしてみるも、
「……結構難しいわね。」
と苦労している様子の獄寺ちょこ。
「コツがいるんだ。この距離で……そう。焦点があいやすいでしょ?」
「出来たわ。」
「私も出来ました。」
「あとは指の上を水晶でなぞってみて。すると、どう?爪の長さも調節出来るよ。もう一度なぞればスッと消えるよ。」
「変わった!凄い!これ、付け爪いらずだし気分ですぐに変えられてサイコーじゃん!服装チェックの時だけ外せばいいし!」
「最長でどのくらい伸ばせるんですか?」
「うーん、一応30センチかな?まあそこまで伸ばしたい人は少ないだろうけど。」
:魔女みたいなネイルしてる人たちにも喜ばれそうw
:1回数万円のネイル代浮きそうw
「日頃ドロップ品は武器の手入れや、魔道具作るのに使ってて、あんまり家に金入れられてないからねえ。何か魔道具で儲けられないかなってずっと考えてたんだよね。どう?これ売れそうかな?」
「売れる売れる!持ち運びも楽だし。てか、あたしが欲しいし!」
「私も欲しいかも……。」
と、獄寺ちょこと美織が食いついた。
「よし、どこかに持ち込んでみようかな。」
依織がそう言うよりも早く、配信を見ていた様々な企業が、美織のSNSを通じて商談させて欲しいという連絡を入れていたのだった。
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母親の稼ぎ中心だった高坂家に、ようやく父親の稼ぎがまともに入ります笑
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