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第153話 究極アンケート

 かくして、権藤謙佑、皇あかり、三喜屋城介、諏訪野美咲、箱崎保、畑中慎一郎が、ダンジョンコアの調査における、美織のサポートにつくことになった。


 近くに住んでいたことと、既に一度共闘したことがあるのが理由だ。

「まさかまたこのメンバーで集まるとはね。それもいおりんのサポートだなんて。」

 皇あかりが肩を竦める。


「国も思い切ったもんだな。」

 箱崎保が防具を準備しながらそう言った。

「あたしは嬉しいよ!またこのメンバーで集まりたかったし!」

 諏訪野美咲が嬉しそうに言う。


「そう言って、グループトークを一番返さねえの、お前のくせに。」

「だーって忙しくって。」

 畑中慎一郎の言葉に、諏訪野美咲が焦ったように言う。


「グループトーク……?」

 それを聞いた、最年長の権藤謙佑が、少し寂しそうに眉を下げる。あの日共闘したメンバーの中で、トークアプリのグループトークに、唯一入っていなかったのだ。


「ま、まあ、いいじゃないですか!」

 三喜屋城介が慌てたように誤魔化した。

「皆さん、今日はよろしくお願いします!」


「ああ、お父さんからも頼まれているからな。しっかり守ってやるから安心するといい。」

 権藤謙佑が胸を叩いてそう言った。


 ──その頃、ダンジョン庁に職員として潜り込んでいた柊奈々は、新たな司令を達成する為、美織たちと同じダンジョンの近くにいた。


「──ザザッ。ターゲットがダンジョン内部に入りました。」

「了解。」


 ダンジョンの入口を監視していた仲間から、美織たちがダンジョンに入ったとの報告を受ける。


「高坂美織……。なぜかあの子の武器だけは奪えなかったわ。自宅には入り込めない防御がかけられているわ、どうなっているのかしら。ホワイトハウスだってもっと簡単に侵入出来るわ。」


 柊奈々は親指の爪を噛みながら眉間にシワを寄せた。

「隠密で近付こうとしても気付かれるし、Dランクにもなっていない、高校生の探索者ごときが、我々の追跡をかわすなんて。」

 柊奈々は手に持った小さな器具を見ながらニヤリと笑う。


「でも、今日でそれもおしまいよ。テストを兼ねてこのダンジョンを崩壊させてもよい許可が降りたもの。あなたはここで生き埋めになるのよ。それか、崩壊したダンジョンの中で、深淵の魔物に殺されるかの二択。どちらにしても、あなたは今日で終わり!これで無事任務を達成できるわ。」


 誰に聞かせるつもりなのか、柊奈々は興奮気味にそうまくし立てた。

 美織たちの後ろを、隠密化したドローンがついて行く。美織たちは順調にダンジョンの最下層へと降りて行った。


「──ここですね。」

 美織は層の境目の壁を手で撫でながらそう言った。

「え!?わかるの!?」


「前回発見してから、なんとなくわかるようになりました。もともと違和感はあったんですよね。壁に当たった時の感触がおかしいなって場所がたまにあるなって。」


:この子のセブンセンシズどうなってんの

:もはや阿頼耶識の領域かも知れん

:小宇宙を超えた第八感

:これがあるからスキルなくても強くなれたんだな


 コメント欄は、美織だけが感じていた違和感に、驚愕する内容が並んでいた。


 美織はその場所を行ったり来たりして、撮影用ドローンを通過させる。すると配信に、前回と同じような、魔法陣の上に浮いた青い◆があるのが見えた。


:ほんまにあったwww

:どうなっとんwww

:これが生きたまま地上と冥界を行き来することの出来る人間か……!

:冥王ハー●ス編とか始まらねえからw


 リスナーが盛り上がっている内容がまったくわからず、美織はキョトンとしていたのだった。


「もう少し……!結界の中に入るのを待つのよ。その時がお前の最後よ。」

 柊奈々はドローンからの映像を確認しながら、確かめるように手の中の器具を撫でた。


 美織が結界を切り裂き、結界の中に入る。3人を残して、権藤謙佑、皇あかり、畑中慎一郎が美織と共に結界の中へと入った。

「──今よ!」


 柊奈々が手の中の器具のスイッチを押した。突然青い◆が赤く光り、◆の中の白い紐のような線が高速で動き出す。


「なんだ!?」

「何が起きてるの!?」

「様子がおかしいぞ!」


 まるで地震のように急に縦に揺れ出すダンジョン内に、立っているのも困難になる。

 配信画面には、


【究極アンケート。

 1.ダンジョンの崩壊を阻止する

 2.犯人を突き止め捕縛する】


 という文字が表示された。


:犯人!?え!?どういうことだ!?

:ダンジョン崩壊!?これ、ダンジョンが崩れようとしてるってことか!?

:まさか、今のこの状態が起きてるのは、誰か犯人がいるってことか!?

:ダンジョンを崩壊させられる犯人!?

:みんな逃げろ!ダンジョンの崩壊に巻き込まれるぞ!

:犯人に逃げられたら困る、でも助けるを選択しないといおりんたちが……!

:どうしたらいいんだ!


 アンケートの締め切り時間は、すぐそこに迫っていたのだった。


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