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第165話 2度目のダンジョン崩壊

【究極アンケート。

 1.ダンジョンの崩壊を阻止する(41.7%)

 2.崩壊を予知するアイテムの入手(58.3%)

 崩壊を予知するアイテムの入手が選択されました。】


 美織の目の前に、大きめのストップウォッチのようなアイテムがドロッする。

「このアンケートが出たということは、どこかのダンジョンが崩壊したということで間違いないみたいですね。」


「でも、なんでアンケートの結果が急に変わったんだろね?」

 獄寺ちょこが首を傾げる。


「それはアンケートスキルの影響が及ぶ場所に、対象がいないということなのですな!」

 とビビッドが言う。


「⋯⋯ダンジョン崩壊には、前回も犯人がいましたよね?その人たちが、スキルの手の及ばない場所に逃げたということですか?」


「恐らくそうなのですな!」

「海外にでも逃げ出したということでしょうか⋯⋯。」

 と美織が呟く。


「地上であれば、そんなことはありえないのですな!恐らくどこか別の空間に逃げたのですな!」

「──別の空間?」


「アンケートスキルは地上のすべてものに影響を与える、強力なスキルなのですな!それこそ特殊な空間にでも逃げない限り、その影響から逃れることは出来ないのですな!」


「例えば宇宙とか?」

 と獄寺ちょこが尋ねる。

「宇宙は影響が及びませんな!」

 とビビッドが答える。


「でもさ⋯⋯でもよ?だったら犯人は仮に宇宙に逃げられる存在ってことでしょ?簡単に宇宙に逃げられる奴なんている?しかもダンジョン崩壊事件を起こしてすぐよ?」


「確かに⋯⋯。ロケットに乗れる立場の人だとしても、難しいですよね。日本じゃ有人ロケットの発射予定なんて、今のところニュースで聞いたことがありませんし。」


「海外だってないわよ?確かだけど。」

「犯人はいったいどうやって逃げたんでしょうか⋯⋯。」

 美織は不思議そうに首をかしげた。


:それより、そのアイテムで、崩壊するダンジョンの位置を特定出来んのか?

:揺れを感じたなら近くの可能性があるだろ?

:助けに行かなくてだいじょうぶか?

:前回だってスタンピード一歩手前の時に、いおりんたちが救ってどうにかなったけど、結構危なかったじゃんか


「確かに、そうですね。これ、どうやって使うんでしょうね?」

 美織はストップウォッチのようなもののボタンを押した。


 すると電源が入り、画面に世界地図のようなものが現れた。画面を触っても何も変化はない。もう一度ストップウォッチのようなもののボタンを押すと、縮尺が変化し、日本の地図が拡大された。


 すると世界地図の時にはわからなかった、地図上に関東に光が点灯する日本地図が現れる。更にボタンを押すと、どんどんと拡大されていく。もっと拡大されるかと思い、何度もボタンを押すと、また世界地図に戻ってしまった。


 最大まで拡大するが、名前が出てこないのでどのあたりなのかがわからない。ネットで地図を検索すると、どうやら駅で言うと原木中山あたりだということがわかった。


「⋯⋯原木中山ってところの近くみたいです。千葉県ですね。そんなに遠くないみたいです。」

「行く?」


「そうですね、行きましょう。」

「OK。」

「いったん配信を切りますね。向こうでまた配信するかも知れません。」


:りょーかい

:いおりん、頼んだ!

:原木中山!?実家じゃん!

:俺の友だちが住んでる⋯⋯

:なんでこんなに日本ばっかダンジョン崩壊が続くんだよ

:デカい地震があった時みたく、日本に美術品の貸出が一時的に無くなりそうだな


 パソコンから配信していた美織は、配信を切って家を出ると、申し訳ないと思いつつ、民家の屋根伝いに走って行く。


 美織の全力は、電車の速度よりも早いが、普通の道を走っていては、素早すぎる美織の姿が目視できない為、気付かなかった車などにぶつかってしまう可能性があるからだ。


 さすがにそれは危なすぎる⋯⋯車が。

 あっという間に原木中山についた頃、移動速度強化で同じように走って来ていた獄寺ちょこが少し遅れて合流した。


「⋯⋯なんかあんまり人いないわね?こんなところにほんとにダンジョンがあるのかしら?もう少し騒ぎになっててもよくない?」


「確かにそうですね⋯⋯。現場はどこなんでしょう?それか、さっきの揺れとは別のダンジョン崩壊を予知した、とか?」

「ええ?3つめ?嘘でしょ?」


 そう話していた時だった、空中に飛び上がる日本刀を手にした老人と、ハーピーの群れが竜巻の中で戦っている。


「あそこです!」

「いそご!」

 美織は念の為スマホで配信を開始した。


「配信を再開しました!これから現場に向かいます!もしアンケートが出たらよろしくお願いします!」

 と配信画面に向けて言った。


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