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第3+7章: 誇りと影


戦闘はエネルギーの爆発とともに始まった。ガロッシュはEMIに向かって突進し、その重量で地面を揺るがした。彼のハンマーの一撃一撃が雷鳴のように響き、EMIは正確に回避するしかなかった。一方、ザレクはセリーナに襲いかかり、挑戦を楽しむかのように狂気の笑みを浮かべていた。


アリアは闇の魔導師を無力化しようと、幽霊のような影を召喚した。それらは純粋な闇で形作られた幻影で、滑らかで致命的な動きで攻撃を仕掛けた。魔導師は後退しつつ、爆発的な呪文で反撃した。


その中で、アレックスは動けなかった。周囲の混乱に圧倒され、自分の小ささと無力さを痛感していた。彼の目には仲間たちが全力で戦っている姿が映り、自分がただ拳を握り締めるしかないことに苛立ちを覚えた。


その背後で、アズラスが大きなあくびをした。その音に反応し、アレックスは彼に振り向いた。巨大なピンク色のライオンであるアズラスは、驚くほど落ち着いた様子で、輝くアーティファクトを取り出した。それは巨大な枕へと変化し、彼はそれにのんびりと横たわり目を閉じた。戦闘などまるで気にしていないようだった。



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アレックスはアズラスを信じられない思いで見た。「俺を攻撃しないのか?」と問いかけ、安堵と屈辱が入り混じる感情を隠そうとした。


アズラスは片目を開け、退屈そうに彼を見つめた。「攻撃する?そんな意味のないことをするわけがない。お前には魔力もなければ力もない。剣の握り方すら知らないだろう?」


その言葉は、アレックスの胸に鋭く突き刺さった。アズラスは再び大きなあくびをし、目を閉じた。「時間の無駄だ。彼らが楽しんでいる間、私は休むとしよう。」


アレックスは歯を食いしばり、崩れる自尊心を感じた。彼は自分の手を見つめ、これまで何度も他人に助けられ、自分が不十分だと感じた瞬間を思い出した。



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深く息を吸い込み、アレックスは顔を上げた。「じゃあ、仲間を助けても文句はないよな?」と平静を装って尋ねた。


アズラスは目を開けることなく、疲れた声で答えた。「好きにしろ。結果は変わらないだろうがな。」


アレックスは苛立ちと決意の入り混じった感情を抱きながら、自分にできることをしようと心に誓った。



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EMIはガロッシュの破壊的な攻撃を巧みにかわし続けたが、彼女の盾で防ぐたびにその衝撃で腕が震えた。巨体の男は楽しげに笑いながら叫んだ。「もっと本気を出せよ、小娘!」


一方、セリーナはザレクと死闘を繰り広げていた。彼女の手から放たれる魔力のトゲがザレクを狙ったが、彼は超人的なスピードでそれをかわし続けた。


「これこそ俺が求めていたものだ!死ぬか殺すかの戦いが最高だ!」と、ザレクは狂気じみた笑みを浮かべて叫んだ。


アリアは闇の魔導師との一進一退の戦いを続けていた。彼女が召喚した影は蛇のように魔導師を取り囲み、攻撃を仕掛けたが、魔導師の強力な魔法に阻まれ、どちらも決定打を与えられないままだった。



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アレックスは戦場を見渡し、何か行動を起こさなければならないと感じた。彼はEMIが徐々に追い詰められているのを見て、恐れを感じつつも彼女に駆け寄った。


「アレックス、何してるの!」とEMIが叫び、巨大なハンマーの一撃を盾で防ぎながら彼を見た。


「助けに来た!」とアレックスは震える声で答えた。


「でも、あなたには魔法も武器もないでしょう!」


周囲を見回したアレックスは、瓦礫の山から大きな石を拾い上げ、全力でガロッシュに投げつけた。それは肩に当たり、大きなダメージは与えなかったが、ガロッシュの注意を一瞬そらすことには成功した。


その隙に、EMIは光の稲妻をガロッシュの顔に叩き込んだ。ガロッシュは苦痛

に咆哮し、数歩後退した。EMIはアレックスを見て微笑んだ。「まあ、役に立つこともあるわね。だけど、死なないでよ。」


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