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一日目:生贄投票⑧

「今、オーディエンスって言いましたよね? 俺たちを見ている人た」

『うるせぇ黙ってろクソ眼鏡!!!!』


 眼鏡の学生――二階堂に、容赦のないうさ耳ピエロマスクの暴言が浴びせられ、彼は委縮してしゅんと小さくなった。


「どうせ、暗黒腐女子共がワイン片手に見てんだろ」

 とりんちゃん。デスゲームに観客はつきものだ。






『おら。あくしろ、ツインテール。さっさとそこの生贄用の椅子に座るんだよ』


 ギィィ……と建付けの悪そうな音がして、無機質な薄灰色の壁の一か所が開いた。死刑囚を座らせる電気椅子のような椅子の置かれた小さな空間が現れる。





「いやだぁ……いやだぁ……」

 めそめそと泣くツインテールこと鳥頭に、うさ耳ピエロマスクは


『あっそ。じゃあ、お仕置きね』

 と冷たく言い放つと




「い゛!? ぃ゛た゛いいいい゛!!!!」

 鳥頭は股間を押さえて苦しみだした。







『ああそうそう。言い忘れてたけど、君たちの股間には爆弾付きの貞操帯がつけられています。敗者やルール違反をしたものは爆弾がバーン! と爆発して死にます。あと、そこで転がってるツインテールみたいに言うこと聞かない奴は、容赦なくチンコを締め付けるんでよろしく』



 僕らは、たまひゅんした。みんな、そっと自分の股間を撫でる。何てことしてくれんだよこのピザピエロ……!





『おいそこのツインテール。さっさとそこの生贄椅子に座らないとチンコもげるよ』

 うさ耳ピエロマスクの無慈悲な発言に、鳥頭は



「あ゛あ゛あ゛ぁ゛い゛た゛い゛!! い゛た゛い゛!! ん゛ン゛も゛ぅ゛痛゛い゛んだよ゛ォォォォ!!!!!」


 逆ギレした。








「おい、あれじゃあどのみち座れねぇだろ」

 ロン毛で髭の男――筆川のツルの一声で


『あ、そっかぁ。じゃあいったんお仕置きは止めるね』

 鳥頭のチンコは、首の皮一枚つながったのだった。

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