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一日目:夜(~22:00)③

 僕と二階堂、宇佐霧、筆川の四人は僕の個室を後にし廊下に出た。


「やべぇんだよ、まじで俺の部屋ぁ……」

 筆川はロン毛を振り乱しながら、僕らに自室に来るよう促した。







 筆川の部屋の前、扉にはやはり『筆川 画郎ふでかわ がろう』のネームプレートが貼ってあった。


 ドアノブを回し、ドアを開ける。中は僕の部屋と同じだった。


「なんだ。普通の部屋じゃないっすか」

 宇佐霧がずんずんと部屋の奥に入り込み、ベッド脇の小さなサイドテーブルの引き出しに手をかける。


「開けんなッ!!!」

 突然の筆川の大声に、驚いて弾かれたように手を離す宇佐霧。


「やべぇのは、風呂場だ」








 僕らの視線が一点に、ガラス張りの扉に集中する。この中が風呂場だ。扉は半透明に濁っており、中が良く見えない。



「この中にいったい何が……?」

「開けるぞ」

 緊張にごくりとつばを飲み込む僕らを一瞥し、筆川は風呂の扉に手をかけた。

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