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一日目:夜(~22:00)⑦

 彼は両手に大量にお菓子を持っていた。きっと食料を調達してきて、今から自室に戻るところなのだろう。


「りんちゃん、そのお菓子どこに」

 黙ったままお菓子の小袋を押し付けられた。個包装のクッキーのを一つ。


「あ、ありがとう」

 りんちゃんは自室に引っ込もうと、ドアノブに手をかけた。


「ちょっと待ってよ!」


 僕はりんちゃんの手首を掴んだ。僕らはここに来てから、まだまともに話をしていない。ううん、別れたときからずっと。お互い命がかかっている状況なんだ。だから、僕らはちゃんと話し合わなければいけないんだ……!





「俺に話しかけんじゃねェよ」

 しかし、彼から僕に与えられたのは明らかな『拒絶』だった。

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