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二日目:朝⑤

 僕が朝食を食べ終わって時刻を確認しに最初の大広間に行くと、すでに四人の男たちが集まっていた。



 りんちゃん、佐藤、二階堂、屑山。何をしているんだろう? 


 死体があるのによくこんな場所に平気でとどまれるものだ。僕は、そのグロテスクな見た目と鉄の匂いで頭がくらくらするのに……。




 時計を見ると、時刻は七時と少し。



 僕が大広間を後にしようとすると



「おい待てや」

 りんちゃんに止められた。


「俺たち、生きてる人はここに集まることにしたんだよね」

 屑山はホストらしい軽薄そうな笑みを浮かべている。


「まじかよ。どんな神経しとんねん」

 目の前に死体があるんだぞ。


「だってしょうがないじゃない。時計があるのはこの部屋だけなんだもん」

 屑山はやれやれと肩をすくめた。


「気持ち悪いですが、時間は知りたいですし……」

 鼻と口元をハンカチで押さえている二階堂。私立のおぼっちゃまって感じだ。





 僕はため息をつくと、冷たいコンクリートの床に腰を下ろした。……なるべく死体から距離を取って。

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