「ところで二人はどこまでいったの? エッチなことした?」
「お前さぁ……」
「顔と筋肉はいいけど、思いの外デリカシー無いですよね」
現在、俺たちは二俣にあれから進展があったのか根掘り葉掘り詰められていた。
「してないのか?」
「残念ながら、そういう雰囲気になったことも無いな」
仮に二俣が上司で俺たちが部下だった場合、このご時世、この会話はセクハラ認定されるだろうなぁって、口には出さないがそう思った。
「ほんの少しぐらいは?」
「してないですね。私としてはいつでもウェルカムなのですが」
「なんで、雰囲気的には純愛そのものなのに?」
「そこが不思議なところでして。全然そういう雰囲気にならないのです。私としては一樹くんがしたいと言うなら、処女を捧げる覚悟はいつでも持っているのですが」
「もしかしたら、五月と同棲してるという事実で、俺は満足しちゃってるのかもしれない」
でもこう言われたら、一回エッチなことしてもいいかもしれない。
セックスは愛嬢を深めることにもなる。
経験上、セックスした後、相手のことを一層大切にしたくなる気持ちが芽生えるし。
ただ、懸念点があるとすれば妊娠が怖いところではある。今の俺では子供を持つ責任を持てないから。
それに、前の彼女はコンドームに穴開けていたからなぁ。幸いにも妊娠はしてなかったけれと、その件あって性行為は慎重に成らざるおえなくなった。
「二俣さん。さっきからセクハラですよ。私たちには私たちの歩み方があるのですから、その辺でこの話は終わりにしましょう」
「そうだな。純愛主義者としては聞くことは聞けたわけだしし、僕はしばらく二人を見守る事にするよ」
そう言って二俣は去っていった。
釈然としない俺は五月に『これからエッチするか?』と聞いてみることにした。
すると五月はこう答えた。『嫌です。今の流れだと、他人に強制されてるようなエッチになるじゃないですか』
五月も俺もめんどくさくて、ままならない性格してるよなって、改めて思った。