「私は鷲塩サツキ。便利部のメンバーで今時珍しい鳥羽族よ。よろしく」
「僕は二俣愛斗。大学生だ。こう見えて体力と武器の扱いは得意だ。よろしくな!」
良かった。この子はまともそうだ。化けの皮剥がれたらどうなるか分からないけど。
サツキの隣でぺっちゃべっているのは小坂六花。コイツとは前話したから分かる。
確か六花は……
(まさか愛斗さんが助っ人にくるなんて思わなかったよ~☆)
人の心が読める体質の持ち主。
◇詳しくは『少女漫画脳彼女に外堀を埋められる~めんどくさい奴らと「なぜか人外も言語話すぞ」はいはいドッコイショ』三話をご覧ください。
「突然だけど、あたしと付き合ってほしい!」
……はっ?
お互いの自己紹介を済ましたタイミングでサツキが告白とも取れる発言を口にした。
まっさか~。そんなわけないと思い軽く受け流すと『あたし、本気だから』と僕の手を引きながら言ってくる。
嘘だろ?
このご時世に一目惚れだと!?
どうする。どうするよ僕。丁重に断るか?
いや、純愛主義者として告白されたからには愛さねば。
「まずはお互いを知ることから始めよう。純愛はお互いが好きじゃないといけないからな!」
「これからよろしくね! センパイ!」
「先輩?」
「そう。人生の先輩だからセンパイ。あなたのこと、これからセンパイと呼ばせてもらうから!」
「別に呼び方はどうでもいいけども」
こうして、僕は鷲塩サツキという女の子と付き合うことに……
「サツキ~☆? 愛斗さんはウチが最初に好きだったのに抜け駆けは許さないよ~☆?」
あれ、六花という娘からもめちゃくちゃ好意向けられてる気がするぞ?
いやまさか、いやでも。あの日以来、頻繁に二人だけで過ごすことが増えていた……
てことはもしかして……
「ウチも彼女にしてよ☆」
二股じゃねえかぁぁぁ!?