八乙女翔太とは恋愛で悩んでいる時に出会った。奴は恋愛導き師という名の詐欺をしていた。
さらに五月親衛隊過激派トップ。その動きが読めない。
巷では五十嵐家を乗っ取るためだとか言われているが、奴の胸の内は闇の中。
半年以上追った結果がこの有様である。分からないことが分かった。
分かっている事は俺の命を狙っている事。
「マリオ•重国と言ったっけ。せっかくなんだし、もう少し八乙女翔太について聞きたい」
「分かったで候。でも待ってほしいわ。今、モブちゃんから連絡が来たから……はっ?」
マリオの手からスマホが落ちる。ほぼ同時、マリオは『五月ちゃんが誘拐されたで候!?』と叫び始めた。
「なんだと……」
◇
五月親衛隊本部に届けられた手紙を読んでみる。
◇小坂一樹の彼女、五十嵐五月を誘拐した。今すぐ別れて、さらに逃走用の三億円を用意しろ。要求が全て通れば解放してやる。by田中&鈴木&三桜。
「すぅぅぅぅぅ……やりやがったなぁ!? このクソ共!?」
ついに一線を超えてきた。カップルクラッシャーと、NTRを遂行するために強硬策にでやがったのだ。
「ていうか、三桜ってあの秋風三桜!?」
秋風三桜とは俺の元カノにして、連続殺人犯して、現在脱獄中の極悪人である。
「はっ? どゆこと!? 手を組んだの? アイツらと三桜が!? どういう繋がりなんだ……」
いや、今はそんな事どうだっていい。
今は、奴らが何処にいるのか探らなければ。
と思った矢先、モブという女性が『大量の来訪者が押しかけてきました』と言いながら逃げてきた。
「こんな時に誰だよ、ってゲッ……」
五月親衛隊本部に押しかけてきた連中。そいつらは五月親衛隊の方々だった。
それも、穏健派や過激派、そして八乙女翔太もそこには居た。